家族の卵かけごはんを科学する。
私の家では、家族全員がそれぞれに違った「卵かけごはんレシピ」を持っている。今回はせっかくのお題投稿なので、我が家の卵かけごはんを科学的っぽい雰囲気で紹介したいと思う。
まず、レシピだけでなく、それぞれ作り方にも違いがあり、父と弟は「直乗せタイプ」で、母と私は「後乗せタイプ」に分類することができる。
これは、「洗う器は少ない方がいい」「卵を無駄なく使い切る」という合理性中心の考え方か、「味が融合した状態でオンザゴハン」という究極の完成系、つまりは「美味の追及」か、でタイプが分かれており、お互いに絶対に譲ることのできない相違点となっている。
また、定番系のレシピで、あくまで「卵の味を楽しむ」両親と私に対し、弟は「卵の可能性の追求」と称して、通常では考えられないようなレシピを考え出す。弟のこの考え方は、時にとんでもないゲテモノを生み出す危険性をはらみながら、スマッシュヒットを生み出すこともままあり、案外バカにできない。また、弟が偉いのは、どんなゲテモノが生まれようが生みの親の責任は全うするところで、家族全員があまりのゲテモノぶりに「食べるのやめたら?」と勧めても頑として聞き入れず、泣きながらでも必ず食べ切るところだ。
弟には、数あるレシピの中から特にオススメしたい、というレシピ一点に絞ってもらい、後段で紹介するので、興味のある方はぜひ試してみて欲しい。
さて、それではレシピの紹介に移りたいと思う。
今回はレシピ名を本人に付けてもらっている。
「豪快卵ご飯」(父考案、ネーミングセンスなくてすみません)
①ご飯を「どんぶり」に盛る。この時、ご飯は平らに均す
②卵(常温)をご飯に「直接」割入れ、黄身の中央部に箸で数か所、穴を開ける(この時、黄身全体を崩してしまわないように注意する)
③②で開けた穴をねらって、醤油を数滴垂らす
④全体に味の素(少々)、七味唐辛子(多め)を振る
⑤塩昆布を散らしたら、ご飯も含めてよくかき混ぜ、豪快に掻っ込む
「塩麴香る卵かけごはん」(母考案)
①ご飯を茶碗に盛り、中央部に底まで貫通する穴を開ける
②小ぶりの別の器に卵を割り、カラザ(白い紐のような部分)を3本とも取り除く
③白だし少々、醤油数滴、塩麴小さじ1を入れ、全体が馴染むまでかき回す
この時、白身もよく混ぜ、大きな固まりとならないようにする
④ご飯の穴を狙って③を注ぎ込み、ご飯の壁を崩しながら頂く
「中華風卵かけごはん」(弟考案)
①ご飯を盛り、刻んだ味付けメンマ、ザーサイを乗せる
②卵を①のご飯に割入れる
③ごま油少々、豆板醤少々を入れたら、卵を割りながらご飯とよく混ぜ合わせる
④スプーンで美味しくいただく
※なお、チューブニンニクや花椒、ネギを足してもおいしいそうです。
「中華っぽいのならなんでも合うよ」とのこと
「わさびおかか卵かけごはん」(私の定番)
①ご飯を茶碗に盛り、鰹節を掛けて躍らせる
②別の器に卵を割入れ、カラザは一番大きいのだけ取り除く
③チューブワサビ2~3cm、醤油一回しを入れ、ワサビと白身の固まりがなくなるまでかき混ぜる
④③をご飯に掛け回し、豪快に掻っ込む
以上が、我が家の卵かけごはんのレシピとなる。
こうやって文字にすると、あらためて家族の性格がよく現れてるな、と思うし、私のレシピを見ると、間違いなく父と母の子供なんだな、と思わせられる。
「卵かけごはん」一つを取ってみても、朝食時、弟の卵が足りなくなり、弟がむつけたり、作り方で論争が起こり、両親がしばらく口を利かなくなったり、逆にいただきものの明太子やイブリガッコ、いわゆる「高級卵」があるときなどは家族みんなで分け合いながらその味を楽しんだり、とたくさんの思い出があり、今回のお題のおかげで新たな思い出もできた。
これからも、「卵かけごはん」を通じて、たくさんの思い出を作っていけたらいいなあ、と思う。
最後に、卵かけごはんの公式を発表して、この稿を終わりにしたい。
(卵×X)+ご飯×家族=シアワセ♪