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猫にとっての幸せとは? とある獣医師の話で感じたこと

みなさん、こんにちは!
八神夜宵です!

今日は、金曜日に保護した猫、「チャビ」を、避妊手術をお願いした動物病院にお迎えに行きました。

その時の様子と、先生から聞いたお話で「なるほど」と思うところがありましたので、皆さんにお伝えしたいと思います。
ネコがお好きな方には、参考になるお話もあるかと思いますので、よろしければ最後までお付き合い下さい。


ファーストインプンレッション

保護猫活動に理解を示されている動物病院で、先生は大学で動物の研究を行う傍ら、夜間と土日のみ、病院を運営されております(完全予約制)。

つまり、「休みなし」で動物と飼い主のために働いている、ということ。
それだけで、頭が下がります。

先週はオーストラリアで開催された学会のため、都合がつかず、今週末となったわけですが、土曜日に入院のために訪れた時は緊急手術でお会いすることができず、今日初めてお会いしました。

まず、「でかっ!」と思いました(すみません)。
180cmは優にあります。体格もご立派。
紺色の病院着に同色のマスクの下には髭を蓄えていらっしゃるご様子。
銀縁の眼鏡からのぞく瞳は、とても優しそうで、笑うと目が線になる方です。

状態の説明

まず最初に、
・ 避妊手術が無事に終わったこと
・ 猫エイズ、白血病は陰性だったこと
・ 便の中に虫の卵があり、継続的な駆除が必要なこと

を伝えられました。

心配していた猫エイズ陰性!
とは言え、潜伏期間が約2か月あるので、2か月後に再検査をする予定です。

摘出した子宮と検査マーカー

血液検査の結果も、一部「赤字」のところもありましたが、関連する数値が正常値のため、一時的なもので、「肝臓や腎臓の疾患があるとは考えにくい」とのことでした。

環境の変化や、そもそも野良で活動していたことを考えれば、健康状態はとても良い方だ、とも仰っていました(大抵はほぼ真っ赤になるようです)。

チャビはクレートの中でとても大人しくしています。
麻酔は切れているはずなので、元々大人しい性格なのだろう、と言うこと。

年齢は、1~2歳で不明とのこと。1歳未満とは考えにくいし、3歳にはなってない、としか言いようがないそうです。

とにかく、無事に終わって良かった!

研究者目線の疑問

はじめに断っておきますが、「保護活動」に否定的な訳ではありません。
ただ、あまりにも誤った知識が世の中にありふれていて、研究者の間では、「半ば呆れる」という保護活動家さんも少なからずいる、という話でした。

以下は、私も「勘違い」や「知らなかった」話です。
15分ほどの立ち話での情報なので、「絶対」のものではなく、先生の意図と違う受け取り方をしている可能性、私の誤解もあるかもなので、その部分は
ご理解いただいた上でお読みください。

※ 内容に誤解、間違いがあった場合は、後日訂正させていただきます。

・猫は群生動物

ネコって、「群れで生活」のイメージがありませんでした。
子猫の内は別として、大抵単独行動で、たまに「猫会議」するくらいなのかと。

しかし、学術的には「群生動物」であり、そもそも単独飼育はそれだけで猫にとってのストレスになるそうです。

また、「単独飼育のネコ」は、「研究対象」として認められない「特殊な環境下で育成されているネコ」という扱いになり、特殊な態様を示すようになるんだとか。

つまり「猫は自分勝手」「わがままな性格」「俺様気質」というイメージは、単独飼育のネコが見せる特殊な態様が「人間目線」で見るとそうなっているだけで、実は元々のネコの性格ではないらしい(もちろん、そういう性格の子もいる)のです。

・飼育の国際ルール

「猫の飼育に必要な最低条件」が国際ルールで決まっているそうです。この条件を満たしていない環境下で育てられているネコは、これも「研究対象外」のネコとなり、そのネコを元にした論文などは、読まれもしないとのこと。

まず、「広さ」。
面積は2.8㎡、高さは60cmを確保(1頭あたり。体重で変わります。こちらは4kg~のネコの場合)。これが最低条件。
動物保護に厳しいフランスなどでは、もっと条件がきつく、罰則もあるのだそうです。

大抵のケージ、これより小さいですよね?
ペットショップのショーケースなんかも、高さ60cmはなさそう。

その他、おもちゃにしていい物の材質、大きさ、形状、数、棚、タワー、食事や水、寝床の具合、英語の学術書でしたので全部は読めませんでしたが、およそ100項目あり、それらの条件を全て満たして、はじめて「研究対象」とできる、「適切な飼育環境下にあるネコ」ということになるのだとか。

もちろん、「研究対象外のネコ=不幸せなネコ」ではありませんが、そもそも猫の飼育方法に対して国際的な枠組み、ルールがあることすら知りませんでした。

・やればできる!

ティモンディではありませんが、猫は基本、
「交尾=100%受胎」
だそうです。

これも知りませんでした。
排卵が、「交尾した刺激で起こる」ということで、「排卵日に合わせる」という必要がないからだそうです。

それで1歳くらいから妊娠できて、年に何回か、4~8匹の出産が可能、となれば、何もしなければ野良が増え続けるのは自明の理ですよね。

・猫にとっての幸せとは、何か?

「どこまで行っても人間の都合、エゴ」
野良猫が迷惑、かわいそうだからご飯あげよう、保護しよう、増え過ぎないように去勢・避妊しよう、里親を探そう・・・。

一見すると、「いいこと」もあるように見えるのですが、これ全て「人間がいいと思いこんでるだけ」の可能性もある、ということです。

例え、飢え、渇き、病気になり、寿命が短くても、猫にとっては野良で自由に生きる。それが幸せかも知れません。

人間の都合で駆除され、捕まえられ、手術され、保護名目で狭いケージで毎日暮らす。ようやく慣れた頃に「里親」という名前の見知らぬ人と見知らぬ場所へ連れて行かれる。

ネコにとっては、「ストレスでしかない」そうです。
だからといって、野良の生活がストレスにならないか、と言ったら、それはそれでストレスになるそうで、「この辺りが難しい」と。

ただし、最近の「動物ばんざい!」みたいなテレビとか、ネットの美談とされている記事を見ると、「それ、何の根拠もないよね?」とツッコミたくなることも度々だとか。

最近では、保護活動家さん同士が、お互いの主張やスタンスが「絶対正義」と思い込み、誤った方向に進んだまま言い争いをするようなこともあるのだそうです。

研究者・獣医の立場から見れば「どっちもどっちだよね」「どっちも違う」というような内容で。

例えば、保護猫の譲渡先として、大抵の方は「単独飼育が望ましい」と考えているそうです。経済的な理由(適切な医療やご飯など)から、そうなるのも分かるけど、でも、最初に言ったように、猫は「単独飼育」でストレスを感じる動物なのです。

これも、あくまで「人間の都合」でそうなってるだけで、「猫にとっての幸せ」ではない、ということ。かといって、面倒を見切れないほどの多頭飼育も問題がある。もちろん、野良のままにすることもできない。

「まあ、正解はない、というのが一番正しいのかも知れません。研究者としては認めたくありませんが。」

とても考えさせらた時間でした。
私自身、チャビに「いいことをしてあげてる」という認識しかなかったので。

でも、チャビにとっては仲の良いネコから引き離され、二度と子供が産めないように手術され、これから知らない場所で一生、生きていくしかない。
ご飯も水ももらえるし、安全に遊んだり寝転んだりはできますが。

果たして、「幸せ」と思ってくれるでしょうか?

おそらく、答えは見つからないんです。
だから、猫のこと、もっともっと勉強して、「幸せ」と感じてもらえるようにこちらが変わっていくしかありません。

「万物の霊長」と、自画自賛している人間。
果たして、本当にそうなのでしょうか。
そうではないにしても、「そうなりたい」と努力することはできますよね。

それしか、ないんだと思います・・・。


戸惑っている様子のチャビ(保護ママから送られてきました)

あとがき

すみません。
何度読み返しても、まとまりません!

とてもわかりにくい内容になったと思います。
現時点で、私も混乱している、としか言いようがないです😣

それから、チャビですが、もうしばらくは保護活動家さんのお宅でお世話してもらうことになりました。

理由は以下の通り。
・ 猫エイズ潜伏期間が二か月ある→再検査することに
・ 寄生虫駆除の薬が飲ませられるか?
・ 手術後の健康異常に、気が付けるか?
・ 飼育環境に適応させられるか(野良→飼い猫のリハビリ)

私では、こういった点に不安が残り、やはりここは、まず「飼育経験者」にお任せして、2か月後を目途に、引き取ることにしました。その間は、こちらから会いに行きます。

もし、保護中のネコちゃんで相性がいい子がいたら、一緒に連れてくるのもありかな、とも考えています。

その間に、勉強して、環境を整え(洋服倉庫になっている6畳間をネコ部屋にする予定。エアコンも付けます。)、お迎えの準備をしたいと思います!

最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

ケージ外の、他のネコちゃんが気になっているようだ、とのこと。



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