私は歯医者が大キライ!【 #いい歯のために】
日本歯科医師会にケンカを売る!!
という訳ではございません。
かなり不穏なタイトルではございますが。
むしろその逆でございまして、大キライゆえに数多の歯科医を訪れ、自分の最適解を見つけ出した探究者という、自負があります。
好きで集めたわけではありませんが、私は歯科医の診察券をたくさん所持しております。この原稿を書くに当たり、抽斗から引っ張り出して数えてみますと、
98枚(惜しいっ!)
になりました。
何が惜しいのか分かりませんが、生きている間にあと2軒は歯科医を受診したいような気持ちになりつつあります。もちろん、冗談です。
今日は、こうして日本歯科医師会様から頂戴した折角の機会でございますので、私の体験から、皆さんの「歯医者ベストワン」を探すお手伝いとなるような記事を書いていきたいと思います。
歯医者が大キライになったワケ
話が違う!!人も違う!!
私の歯医者デビューは7歳になります。
デビューを飾ったのは学校に歯科検診にも来てくれている、笑顔の素敵なとても優しい歯医者さん。
当然、その先生が出てきて、優しく虫歯の治療をしてくれるのだろう、と思い込んでおりましたが、いざ診察台に座ると、目の前に現れたのは見たこともないおじいちゃん先生!!
ポショポショと薄い毛の生えた白髪(ほぼない)頭に、額帯鏡と分厚いメガネ。マスクで口元はわからないけれど、メガネの奥の目は絶対に笑っていないと、子供にでもわかる!!
あまりのギャップに、私は泣くことしかできなかった。
ハッキリ言えば、怖かった。恐ろしかった。
後から知りましたが、この歯科医院は曜日ごとに大先生と若先生が交互に診察してくれるパターンの歯科医で、運悪くと言うかなんと言うか、私は「大先生担当」の時に受診をしてしまったのです。
当然、次の予約も大先生。
これが今なら、はっきりと言えたはず。
「担当変えてもらっていいですか?」
と。
しかし、当時の私は、あまりに小さく、あまりに無力だった・・・。
こうして、最悪の幕開けで始まった歯科治療は、とんでもない結果を生み出すことになりました。
血だらけ失神事件
それは、二度目の治療のため母に連れられて「怖い先生」の歯医者にテンションダダ下がりで向かった時のこと。
グズりにグズって母を困らせつつ、「帰りにガチャガチャOK!」の条件を取り付けて、嫌々ながらもひっそりほくそ笑んで診察台に座りました。
「痛いッ!」
初手からものすごく痛い。麻酔仕事しろ!
痛かったら挙げるはずの右手は、先生の身体が邪魔で上げられない!
左手を挙げればいいじゃん!って思うでしょうが、
「左手を挙げてはいけない」
という、謎なスクールルールが身についていた私は、咄嗟に左手を挙げることができなかった!
で、何をしたかと言えば、先生を思い切り突き飛ばした。
結果、先生は足元のコードのアシストもあって、バランスを崩し転倒。私は咳とともに口から大量の血を吐き出して失神。
あの時はね、「先生を突き飛ばしたから手元が狂って口の中を傷つけた」ってことで話がついたけど、今考えると、その前にどこか傷つけて血が出てたんだと思う。
だからこそあんなに痛かったんだろうし、あんなに血を吐き出した。
決して痛くて失神したんじゃないんです。
「自分が大量の血を吐いた」
ことにショックを受けて失神したんですよ。
すぐに気が付いたけど、そしたら先生も看護師も母も、鬼の形相で怒りやがんの。失神までして未だに血が出ててものすごく痛いのに、なんで怒られなくちゃならないんだ!? まずは心配じゃないのかいっ!
こうして、「はじめての理不尽」を経験した私は、「歯医者は敵」と言う認識を生むに至りました。
当然、ガチャガチャの権利は失われました。
しばらくはマトモな食事ができないというオマケ付きで。
「歯医者は敵」の認識は、さらに強まりました。
「絶対に、行かないっ!」
そこからしばらく、「歯医者絶対拒絶期間」が続きました。
なんと、15年。
当然、その間も「お口のトラブル」には何度も何度も見舞われました。
虫歯が痛むことなんかほとんど毎日でした(全方位虫歯状態に陥った)し、それが元で高熱を発することも、顔がパンパンに腫れることもありましたが、その全てを「半分は優しさでできている」ともっぱら噂のあの薬だけで乗り切りました。
自分でボロボロになった歯(の残骸)を抜いたこともあります。
そこに空いた穴にばい菌が入って、顔が腫れたんです。
さすがに高校生くらいになると、「行ってみようかな、行かなきゃどうしようもないかな」と思うこともありましたが、歯医者に着くと全身が痙攣するように震えだしてしまい、どうしても抑えることができません。
座っているだけで歯がガチガチ鳴ってるのに、治療ができるわけもありません。たぶん、無許可で高額報酬をふんだくるマントを着た先生でも、失敗しないスタイル抜群のあの先生でも、治療は無理だったでしょう。
蜂窩織炎でぶっ倒れる
そんなある日のこと、またもや顔の左半分が腫れました。
当然痛いし、高熱も出てます。
それでも「例の薬」だけで何とか乗り切っていましたが、今回は腫れも痛みも全然引く気配がないまま、二週間が経過した時の出来事です。
私は意識を失ってぶっ倒れてしまい、救急車で運ばれました。
診断名は「蜂窩織炎」でした。
簡単に言ってしまえば、虫歯から入った「ばい菌」が、歯茎のさらに下の下にまで到達し、そこで激しく炎症を起こしていたんです。
即入院。そして手術。
歯を抜いて、歯茎を切開し、そこから皮下組織をキレイキレイする手術。
結果、丸々一ヶ月も入院することになってしまいました。
後から聞いてゾッとしたのは、その「ばい菌」が脳や重要な神経系にまで到達していたら、命が危なかったと言う事実。虫歯を安易に考えがちですが、脳にも脊髄にもとても近い部位なので、考えてみれば当たり前のことなのです。
危うく「死因:虫歯」となるところでした。
今だからこそ、こうして冗談めかして話せますが、すべて実際に私の身に起こったことです。
私の「歯医者を探す旅」が始まった。
その頃の私は、会社を経営しておりました。
そのために、自己紹介にも書いてありますが、「岐阜県以外の46都道府県」に居住実績があります。
その地域の業務が軌道に乗るまでは「そこに住む」のが私のやり方だったからです。
ですから、前段で紹介した「歯科医の診察券」は、全国の歯科医の物が集まっております。
不思議なことに、入院手術以降「歯医者への恐怖」が無くなりました。
おそらくは私の中の「恐怖の天秤」が、
「歯医者<危うく死に掛けた」
になったからだろう、と考えています。
そうなると、今度は反動のせいか「歯医者に行きたい」と思うようになったのです。
「虫歯=入院」という意識が芽生えたため、虫歯のチェックだけでもきっちりしてもらいたいし、歯磨きで取り切れない歯垢や歯石を除去して頂くととんでもなく口の中がスッキリします!
この感覚が、病みつきになりました。
同時に意識変革が起こった
こうして全国津々浦々の歯科医を尋ね歩くようになると、あることに気が付きました。
歯科医には、キレイなお姉さんが多い!
※ あくまで個人の感想です
歯科衛生士の方であったり受付の方であったり、マスクをされていても隠し切れない「美」が、いろいろなところから漏れ出ております。
そうなると、当然こちらの「美意識」も自然と高くなるもの。
まさかに「奥歯にニラが挟まったまま」では、いかにも恥ずかしいですし。
帰ってから「ニラ星人」とか、あだ名付けられてゲラゲラ笑い飛ばされてたらどうしよう、とか考えたり。
あ、当然こんなことはあるわけがありません。
物書きの端くれの、くだらない妄想であることは間違いありません。
ありませんよね!?
そういうわけで、今までは「3本で100円」くらいの歯ブラシしか使ったことがなかった私でも、例の、
「歯科医師の97%がおすすめする」
タイプの歯ブラシを購入して使い続けております。
これがまた、広告に偽りなしの素晴らしさなのですが、本旨とズレるのでいずれまた別の機会に。
また、デンタルフロスなんかは当たり前で、デンタルミラーを使って二度磨きしたり、緑色の口腔洗浄液を使用したり、とにかく「口腔環境」にはかなり気を遣うようになりました。
おかげさまで歯科医に赴いても、
「うーん、することがないねぇ・・・」
と先生に言っていただけるまでになりました。
そしてこの先生こそが「私のベストワン」の先生です。
98軒の歯科医を尋ね歩き、ようやくたどり着きました。
おかげさまでここ数年、「お口のトラブル」からは完全に解放されておりますし、私のクチコミで同じ先生に掛かっている皆様からも、
「めっちゃいい!」
「こういう歯医者さん初めて!」
「子供もここに連れて行く!」
というような、高評価を頂いております(案件ではありません)。
八神的「いい歯医者さんの選び方」
ではいよいよ、歯医者にとんでもないマイナスイメージを持ち、歯科医ジプシーに陥った私が考える、「いい歯医者さん」についてお話していきたいと思います。
はじめにお断りしておきますが、これはあくまで「私個人の考え」であり、何かを強制したり、そこに当てはまらない歯科医がダメという訳ではありません。
そこのところをご理解いただける方のみ、読み進んでいただければと思います。
説明が行き届いている
私の第一条件(必須)は、ここになります。
・ どこの歯が
・ どういう状態だから
・ どういう治療をする
治療前に、このお話をしてくれない、してもごくごく軽い歯医者さんは、信用できません。
現在お世話になっている先生は、以上に加えて、
・ 治療回数は〇回
・ 治療費の総額は〇〇円くらい
というようなところまでお話してくれます。
私が驚いたのは、「治療回数」を具体的に、最初に教えてくれるところ。
これは、この歯医者さんが初めてでした。
これがわかると、次の予約の取り方や、先々の予定が立てやすいので、大変助かります。
また、「忙しい期間に入る」などと要望を伝えると、
「じゃあ、回数を〇回にできるように(もしくはいついつまでに終わるように)しましょう。その代わり一回の治療時間が長引くけど、大丈夫?」
このような感じで、調整をしてくれるのです。
これがとてもありがたく、忙しい時期にもしっかりと治療ができるので、不安なく治療が受けられます。
麻酔は最低限
これは、私がどこの歯医者さんにでも必ず最初に言うことなのですが、
「私は痛みが苦手です。人より大袈裟に痛がります。」
と、半ば脅します。
大抵の先生は、そうすると麻酔の量を増やして対応してくれます。ですので、まったく痛くはないのですが、治療が終わっても2~3時間は食事ができませんでしたし、ヨダレを垂らさず話すのも一苦労するような具合でした。
今の先生にも同じように話したのですが、その時に先生が、
「八神さん。もちろん痛くないように注意して治療するけど、どの病院に行っても、ある程度痛かったり苦しかったりするでしょう? なんでだかわかりますか?」
こう切り出した先生は、「医者に掛かったら痛かったり苦しかったりする」という事実は、予防を意識づけるのにとてもいい効果がある、と言うような話をして下さいました。
「なので、麻酔は最小限にして、どうしても痛かったらその都度追加します。」
ということで、実際にその状態で治療が始まると、先生は「治療の1ターンごと」に手を止め、そのたびに
「痛くないですか?」
「大丈夫ですか?」
「次、少ししみるかも知れませんよ?」
「少し深く削りますよ?」
などと、驚くほど多くの声を掛けて下さいます。
こちらとしては、「あ、次少し来るかも!」と心の準備もできますし、「手を挙げる」タイミングも常にあるので、ほんとに安心して治療を受けられます。
そして、治療を終えてからの回復がものすごく早い。
うがいもダラダラこぼさず楽にできますし、食事も話すのもすぐにフルパワーで行えます。
今までの治療よりは、もちろん沁みたり響いたりする痛みはあるけれども、決して我慢ができないレベルではないですし、ある意味で覚悟ができているので、普段よりも「我慢レベル」自体が上がってる気がします。
誤解のないようにお伝えしておきますが、私の申し出通り「痛くないように」麻酔を追加してくれた先生にも感謝しているのは間違いありません。なんてったってこちらのお願いする通りに治療してくれたのですから。
ですが、今の先生は「そうしないことで気が付けること」にまで配慮をして下さいました。そして、私は「気付き」を得ることができた。これで、私の先生に対する信頼感は、一気に上がりました。
そしてその結果、「お会計」も今までの半分くらいで済むようになりました。麻酔って、意外とお高いんですね。
待ち時間はほぼ「0」
歯医者さんに付き物の「予約」。
ですが、今までは例え予約通りに通院しても、待合室で30分~1時間は待たされるのが当たり前でした。
今の歯科医院は、「待ち時間ほぼ0」です。
一度だけ、前がお子さんの治療の時に10分ほど待たされたのが最大で、それ以外はほぼ毎回、受付を済ませると待合室の座席に座る前に診療室から呼ばれます。
これにも驚きました。
待合室にはいつも会計待ちの2~3名がいるだけで、最初に訪れた時は内心「外れを引いたかも・・・」と思ったものです。
ガラガラ過ぎて、「ヤブに飛び込んでしまったか」と思ったのです。
ですが、システムを理解してからは「なるほど!」と思いました。
診療時間は基本的に15分毎です。そして、次回予約の時には、受付の方以外に先生が立ち合い、「次回の目安治療時間」を教えてくれます。
治療時間が1コマで間に合うか、3コマ必要か、考えながら予約を入れるのです。
始まる時間だけでなく、終わりの時間もある程度予測ができますから、無駄な時間は極力なくすことが可能です。こうした努力が、「待ち時間ほぼ0」を実現しているワケです。
それを知っているからこそ、こちらも「遅刻してはいけない」「余程のことがない限りキャンセルはしない」と言う感覚が、自然と湧き起こります。
細かいことかも知れませんが、「全体の共有財産」である時間を無駄にしないという姿勢が、私のポリシーとピッタリ合いました。
とにかく会話が多い
診療の前に、「前回の治療後どうだったか」を必ず聞かれます。
これは先生ばかりでなく、歯科衛生士の方も同じで、治療後に生活で何か不都合を感じなかったか、痛みや腫れはなかったかなど、細かに質問されます。
これが、想像以上に安心できる。
カルテと照合しながら、それに合わせて治療の方法を修正してくれるのです。
聞かれるのでこちらも気軽に答えられますし、「次回のために」と思いつつ、おかしく感じる点がないか、気を付けるようになりました。
その他にも、治療の合間にまったく関係ない話題での話があって、こちらをリラックスさせようと言う優しさが感じられるのです。
何気ない会話の中で、しっかりと意思疎通が図られ、ひいてはそれがお互いの「人となり」を知ることとなって相互信頼が育まれる。
何事においてもそうかも知れませんが、ことに「自分では見えない部分をお任せする」ので、これがあるとないとでは、そもそもの安心感が違います。
そして最後に、「何かをくれる」
これは完全にネタ的な話になりますが、会計後に必ず何かを頂いて帰って来ます。
歯磨き粉や口腔洗浄液の試供品だったり、キシリトール入りのガムや飴だったり、製薬会社のマスコット人形だったり。
まるで、「今日はよくがんばりました。ご褒美をあげます。」みたいな感じで笑顔と共に渡されると、これがとても嬉しい!
いつもホッコリした気分で、口の中はスッキリして、ルンルンで帰路に着きます。
正直なところ、「大キライ」だった歯科医から、鼻歌歌いながらルンルン気分で帰る日が自分に訪れようとは、想像もできませんでした。
最後は「自慢」のようになってしまいましたが・・・
「選び方」と言いつつ、「私の歯医者さんすごいんだよ!」の話になってしまいましたが、現在の先生のおかげで、私は歯医者が大好きになりました。
これは、間違えようのない事実です。
皆さんにも、それぞれに「歯の治療について大切にしていること」があると思いますが、それをきちんと叶えてくれる歯医者さんが、どこかに必ずいると思います。
98軒の歯科医を訪ねて回り、「歯医者が大キライ」から「歯医者が大好き」に変わった私が言うのですから、大丈夫です。
日本には、コンビニの数より多くの「歯医者さん」がいてくれます。
これは、選ぶ側から見れば、とてもありがたいことだと思うのです。
この記事を読まれている方で、「歯医者苦手だなー」と考えている方がいらっしゃいましたら、ネットの書き込みや近所のクチコミだけで判断するのではなく、ぜひ一度その歯医者さんに出向いて、先生と話をしたり、雰囲気や治療方針を「ご自身の五感で確かめて欲しい」と、心から思います。
※ 他の方の治療の妨げにならないような、常識の範囲内でお願いします!
それから、「虫歯ないから無関係!」と思ったそこのあなた!
そう! あなたです!
その、ご自慢の歯を支えてくれている、「歯肉(歯茎)」は大丈夫ですか?
日本人は九割以上、お口に何らかのトラブルを抱えている、と言われております。
治療の必要性はともかく、まずは「口腔チェック」を受けてみて下さい。
定期的に行くのが大切ですよ!
もちろん、自分で行う日々の「お手入れ」もね!
おわりに
人間は生きていくために、必ず「食べる」という行為をしなくてはなりません。
その「食べ物」を、最初に体内に迎え入れ、栄養として取り込むための最初の器官が「口」であり、「歯」です。
そこを疎かにして、「ほんとの健康」は得られません。
世の中に「健康ブーム」が訪れて久しいですが、安易にサプリや薬に頼る前に、「歯も重要な内臓なのだ」という意識を持って、口腔環境を見直すのは
非情に大切なことだと思います。
その「管理のプロフェッショナル」が歯医者さんです。
壊滅的な口腔環境だった私が言うのもなんですが、だからこそ私と同じような過ちを、みなさんに犯していただきたくない。
どうぞ、御自身の「歯医者ベストワン」を探し出していただき、人生を少しでも健康で、より快適な物にしていただきたいと思います。
ここまで拙い長文にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
皆様の探究の旅に、心からの祝福を!