「オツトメしましょ!」スピンオフ 【委員会分析員 羽仁保】
やあ、みなさん! こんにちは!
僕は、羽仁保。
『委員会』に所属する情報分析員だ。
みなさんとはまだお会いしたことがないから、「はじめまして」だね!
今日はご挨拶を兼ねて、僕の『委員会』での仕事の一端をお見せしよう、という趣向なんだよ。
ところで、『委員会』については、どれほどのことをご存じかな?
あんまり知らない?
うん、そうだよね。
まあ、基本的には表に出していい組織じゃないから、堅気のみなさんが知る必要もないし、むしろ知らない方がいい。この世の中には、知らない方がいいことも多くあるんだ。
だから、僕もその辺りを詳しく解説するつもりはないんだけど、差し障りのない範囲でお話しようと思う。
まず、『委員会』が設置されているのは『組合』という、大きな影の組織の中なんだ。簡単に言っちゃうと、『盗賊の互助会組織』なんだけど、そもそも他人様の物を盗む商売の方々だから、良識とかモラルとか、そんなものを期待しちゃいけないのは、わかるだろ?
当然、組織内でも仲間内でも悪いことを考える連中は後を絶たない。
元々は、そういう連中をしっかり躾けるために設けられたのが『委員会』なんだ。
そして、僕はその『委員会』の中でも『情報』に特化した部署に配属されててね、そこでいわゆる「カウンセリング」の仕事をしてるんだよ。
と言っても、皆さんがすぐに思い浮かべることができるような「カウンセリング」じゃない。情報操作のために利用したり、組織を守るために利用したりする、『人的情報』を集めるためのカウンセリングなんだ。
平たく言えば、「攻めのカウンセリング」ってところかな。
だから時には、『本人に知られないように』行わなければならない場合もある。
でね、今日は、みなさんが一番気にしてる人たちのデータを持って来たんだよ。
そう、笹鳴一家の湯浅由乃と上椙千英のデータだよ。
気になるだろ?
実はこれ、委員会の実行部隊、通称『作業班』から依頼があって作成したんだけど、まあ、いろいろあって使われることがなかったんだ。
それはそれでいいんだけどさ、実は僕、このデータで作業班長から『特別報酬』をもらうはずだったんだ。あくまで、個人的な。
それを見越していろいろお金を使っちゃったんだけど、さっきも言った通り使われなかったから、特別報酬も入らないことになっちゃってさ、ちょっと困ってるんだよね・・・。
そこで、なんだけど『お題は見てのお帰り』で結構だから、その・・・いくらか、融通してもらえないかな?
あ、いや僕もね、『委員会』で常に仕事があるわけじゃないから、普段は別の会社で会社員として働いてるんだよ。『委員会』はあくまで臨時雇いで、特に裕福というわけじゃないんだ・・・。
ま、とりあえず、読んでみてよ!
あ、ああ、さっきも言った通り、「表の稼業」じゃないからさ、いろいろ偽装してあって、隠語なんかも使ってあるからわかりにくいところもあるだろうけど、読み物としては面白いだろ?
的を得ているものも、多いと思うんだけど・・・。
え? これだけじゃダメ?
じゃあ、僕がここから導き出した分析結果も付けるよ!
ど、どうかな?
もちろん僕は、この二人との面識はないからね?
え、結構当たってる!?
だろだろ!
・・・で、どうだろ?
できれば、200万くらい融通してもらえると助かるんだけど・・・。
まあ、一人当たり100万、ってとこで・・・。
バツンッ!
フッ・・・
わわっ! な、なんだっ! 電源が落ちt
ガツンッ!
ぎゃっ!
・・・・・・っ!!
「・・・全員、抑えた??」
「OK! 大丈夫!」
パチン
うわ! な、なんだお前らっ! こ、これをほどけっ!
「騒がないでくれる? これ以上、手荒なことしたくないの。」
・・・わ、わかりました・・・。
「うん。で、これは何? 何をしようとしてたの?」
「あ、これ見てよ! 私たちの調査結果だよ!」
「・・・あー、ほんとだー。・・・あら、結構当たってるわね・・・プフッ! 見てよこれ、『元気で活発なのに大きな夢を描かない罪』だって!」
「こっちは、『人生にギラついてる罪』だって! ちょっと当たってる!」
「え? それ私の? 私、ギラついてるかなぁ?」
け、結構当たってるだろ? そ、それはそうと、僕は『委員会』の人間だぞ! こ、こんなことしてただで済むと思ってんのか! お前たち懲罰だぞ、懲罰っ!
「へー、その、『委員会』の方が、堅気の皆さんと何の話をしてたのかしらねぇ?」
カチ
あ、あ、そ、それは・・・!
「ごめんだけど、映像もあるんだ。最初からね。偉そうに自己紹介してるとことか。なんなら、一緒に見る? 聴聞会で。」
あ、あの! ご、ごめんなさいっ!! つ、つい出来心でっ!
「・・・まあ、いいわ。元データは?」
「ここのデータはすぐ消すとして、問題は・・・。」
「こちらの皆さん、ってことね・・・。」
「・・・そうなるね・・・。」
「・・・。」
はーい!皆さん! いつも応援、ありがとう! あえて名乗らないけど、私たちが誰かは、想像できるわよね?
それで、お願いなんだけど、今日見たこと、聞いたことは、全部忘れてくれる??
・・・うーん! いいお返事! 助かるわ!
じゃあ、私たちはこの男と少し話があるから、これで。
あ、念のために言っておきますけど、どこかに漏らしたり誰かに話したりしたら、それに相応しい『対応』は、きっちりさせていただきますから!
それじゃ、これからも応援、よろしくおねがいしまーす!!
バタン! ガチャ。
シーーーン。
「オツトメしましょ!」外伝 【委員会分析員 羽仁保】
了。
はい、というわけでございまして、前回は私自身の「性格診断」を記事にさせていただきましたが、今回は「オツトメしましょ!」から、ヒロインの二人について、「二人になり切って」質問に回答してみました!
作品中で掲載しておりますが、いやー、結構、いい線いってる!!
で、うれしくなっちゃって、新キャラまで作って小説っぽく仕上げちゃいました!
お? ほんとに当たってるのかって??
それは、ご自身で確かめてもらわないと・・・。
あれ、こんなところに、マガジンへのリンクが・・・(小芝居感)。
とは言え、本作はあくまで「スピンオフ」なんで、「オツトメしましょ!」の本筋とは切り離して考えていただければ。
「パラレルワールド」と思って読んでいただけるといいかと思います。
そもそも、この「キャラクターの性格診断」のアイデアは、創作大賞きっかけで親しくさせて(で、いいと思うけれども、私が勝手に思っているだけかも知れない・・・)頂いている、pekomogu様のアイデアです!
何という、いいアイデア!
で、パクらせ真似させていただきました!
やっぱり「思い入れのあるキャラクター」って、ある程度「なり切る」ことができるもんなんですね!
いや、診断プログラムが優秀なのかも知れませんが。
皆さんも、ご自身の「思い入れのあるキャラクター」でお試しになってみては??
「ご自身のキャラクターへの理解度」を知る意味でも、いい試みかも知れませんよ。