電柱と樹木(幸&ボーンの創作童話) 結➕追伸
「物凄いスピードで走ってくるのは誰だ?」
と、電柱は目を細め、
走る姿を見て韋駄天という事が解った。
韋駄天は、電柱に宣伝の張り紙を貼る仕事をしているからだ。
「また、私の身体に変な物貼るのね。嫌だわ」
韋駄天は、着くなり、
「電柱さん、今日お手紙持ってきたよ。
これはそんじょそこらにある手紙と違うよ。
これは、樹木が貴女に宛てに書いた恋文だよ。
樹木は貴女の事が好きなんだよ」
「えっ、樹木さんが私の事を好き?
どうしましょ、私」
と、柄にも無く照れる電柱。
「何が書いてあるのから?」
「知らんけど、・・・。読めば解るよ」
と、韋駄天は巻物の恋文を渡そうとするが、
電柱には手が無い。巻物を開く事が出来ない。
仕方ないので、韋駄天は巻物を開き恋文を読み聞かせたのだが、
誤って、電柱が樹木に宛てた恋文を読んでしまう。
「あなた、私そんな事書いた覚えは無いわ。
私を馬鹿にしに来たの!返って」
と、韋駄天は怒られ返って行く。
「俺はおっちょこちょいだ。何で間違えたのだろう?」
と、反省し涙を流す韋駄天。
韋駄天は樹木の所に行き、間違える事なく巻物を読み聞かせた。
黙って聞いている樹木。
だが、樹木は何の感動も示さない。
不思議に思った韋駄天は樹木に注目し観察する。
解った事は、
樹木には聞く耳は持って無かった。
追伸
この小説は幸さんと私ボーンのリレー小説です。
起承転結、起と転を幸さんが書き、私ボーンが承と結を書きました。
最初の出だし(起)の
「樹木と電柱が言い争い」と言う構想は、私には想い付かないです
また、(転)で恋文を書くことも予想出なかったです。
なんとか、2000字程度で纏めることが出来てホッとしています。
電柱と樹木、仲直りできたら良いのですが。
電柱はまんざらでも無さそうですし、お互い素直になることですね。