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星降る夜(1分で読める小説)

「🎵 星降る夜は、部屋の明かり消して
  静かに静かに、星の囁き聞こうよ」
と、懐かしい歌を口ずさみながら、妻と二人歩く。

冷たい風が頬にあたり、
凍える夜に、妻と肩を並べ歩く帰り路。
真冬の空は空気が澄んでいるのだろうか?
夜空には満天の星々が綺麗に見える、ロマンチックな夜。
人影も見えない二人だけの世界。

「星が降る夜なんてないよ。
あんな星が降って来たら、地球は滅亡するよ」
と、醒めた言い草の妻。
「🎵なのに君は、知らんふりして眠っているから、
眠っているから、一人ぼっちのパーティー」
と、妻の醒めた言葉を無視して僕は口ずさむ。

「何その歌?知らないわ」

と、寒さを堪えているのか不機嫌な声。
「知らないの、この歌? 
かぐや姫の[星降る夜]って言う歌だよ」

「知らないわ、聞いた事も無いわ。
それよりも良くそんなに楽しそうに
歌えるね?」
と、いらだちの言い方。

「だって、星があんなに綺麗だか、
ついロマンチックになってしまってさ」

明るく言う僕を、
「何言ってのよ!貴方が車を溝に落とすから、こんなに寒いのに
歩いて帰らないといけなくなったのよ!
馬鹿!」
妻の罵声を浴びながら、明るく独り口ずさむは、

「🎵 私バカよね。お馬鹿さんよね。後ろ指、後ろ指、刺されても」

と、懐かしき昭和の歌謡曲。


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