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(新々)三つ子の魂百までも 44



二人の警官が林田のアパートに
訪れている。
管理人を引き連れて。

「林田さんのアパートの管理人をしている、迫田と言います」
と、挨拶するのは初老の男。
迫田はドアの鍵を開けた。
部屋の中に漂う異臭。
嫌な匂いだ。

「林田さん、居ますか?」
と、呼んでも返事は無い。

「入りますよ。警察の人も入りますよ」
と、律儀に挨拶する管理人。
部屋の中は、昼なのに薄暗く、異様な雰囲気だ。部屋に入ると直ぐに炊事場がある。
部屋に向かう襖をそっと開けると、
男が倒れている。

腰を抜かす管理人。

一人の警官は男の側に行き、息を確認する。
首を横に振り死んでいると云うポーズをする警官。
林田は死んでいる。
もう一人の警官は、連絡を取っている。

何も言えず傍観する管理人。
桜町が警察から
「林田の死」の連絡を受けたのは、夕方であった。

「この遺体が林田かどうかの確認して欲しい」との、要望であった。

……林田さんが死んだ?何故!あんなに元気だったのに……
桜町は自分の感じた胸騒ぎが現実になってしまった事に驚きを隠せない。
また、悲しい現実。

桜町は、直ぐに同僚を連れ警察署に行く。
そして、林田との対面。

穏やかな林田の顔。
笑みさえ浮かべている。
それは、仕事をやり切った男の顔にも見えた。

「林田さんがこれを持っていたのですが・・・」

と、封筒を刑事が差し出してくる。
「写真が写っていつのですが、ピンぼけなんですよ。不思議な写真です。何でこんな物を最後に持っていたのか?
不思議なんです。」

写真は壁が写し出されていた。
その周りに人の顔見たいな物が見える。

「この壁、見た事がありますよ」
と、桜町は独り言の様に呟く。

…何処だっけ、この壁…
あっ。・・・

桜町は遺体の確認を済ませた後、
写真の封筒を受け取り、飯島裕美に連絡を取った。桜町が
向かうは、僕の待つ探偵事務所。

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