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(再掲載)私は誰⁉️(25)大学の教授達(2分で読める小説)



次の日、大林さんと昨日の喫茶店で会った。
大林さんが、大学時代の写真を携帯の画面で見せてくれた。
写真を見て大林さんと、友達であったことは間違い無いと
確信した。
二人で、母校の ◯◯大学に行った。僕は全く覚えていないが、
大林さんは、懐かしそうに辺りを見回している。
校内はかなり広いみたいだ。
学生達も大勢いる。

大林さんは大林さんの知っている教授に会いに行った。

その教授の名前は、小林と言う
小林教授は歳の頃なら、50代始め、身長165cmぐらいか。
小太り。
大林さんと小林教授は旧交をあたためていた。
大林さんは私を紹介した後、小林教授に
質問した。

「以前この大学の教授で、上顎と下顎の噛み合わせの悪い
 教授がいませんでしたか?」

「居ましたよ。小山内教授でしょ。それが、どうかしましたか?」

名前が判明した。この人に会えば全てが分かるのではないかと
大きく期待が膨らんだ。

「その、小山内教授はどちらに居ますか?」
とさらに大林さんは聞いた。

「小山内君なら、何年か前にこの大学を辞めたよ。」
とさらっと言った。

(大学を辞めた!)と僕は少し動揺を感じた

「今、小山内教授の居場所がわかりますか?」
と、大林さんは、さらに聞いた。

「知らない。あまり小山内君とは親交がないので」
と、また さらっと言った。

僕は落胆したが、小林教授に聞いてみた。

「私は、水原学と言います。以前、小山内教授と共に研究していたものですが、小山内教授にお会いしたくて、この大学に来ました。
どうしても、小山内教授にお会いしたいのですが、誰か小山内教授を知っている方がいらっしゃらないでしょうか?」

小林教授は、またもや、さらっと言う

「君の事なら知っているよ。うちの大学の有名人だったから。
 小山内君の友達は、この大学ではいないだろうな。
 君ぐらいだろう?小山内君と親しくしていたのは。」

僕は、この大学の有名人?ここは、もう少し聞こう。

「私、実を申しますと、交通事故に遭い、自分の記憶を無くしたのです。
調べていく間に、大林さんと出会い、今日ここに来る事が出来ました。
小林教授が、私の事を何か知っている事が有れば教えて頂きたいのですが?」

「記憶を無くした!君が?」
と、ここはさらっと言わずに、驚いて言った。

「気の毒に、、、、。小山内君の事は余り知らないが、君の事なら
少しは知っているし、他の教授も君の事を知っている人も何人かいるよ。呼んで来ようか?。」

(嬉しい。僕って有名人。この言葉、信じて良いよね!)
と心では、絶叫していたが、表情はその嬉しさを噛み殺す様に、
平静さを装っていたと、思う。

窓際に置いてある、椅子に座って待っていた。
5分ぐらい待っていると、小林教授と他三名が私と大林さんの前に現れた。
三人共、僕の事を知っているが、僕は覚えていない。
三名の内一人は女性だ。
三人共、年齢は40歳以上50歳未満に思えた。

この話は次回に。

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