マフラーに(1分で読める)
マフラーに巻かれた女の子。
その紅マフラーに雪がかかる。
マフラーが長すぎるのか、その子の首には
何回もマフラーが巻かれている。
母親に手を引かれながら、冬の路を歩いている。
もう、師走。今年も残りわずかな日々。
私の人生も残りわずかなのかも知れない。
あの紅マフラーの女の子の人生は、
始まったばかり。
これから、何度も冬を迎える事だろう。
人生を振り返れば遥かに遠く感じる。
だが、早かった。
物凄く早かった。
それは、日本から遠く離れていても、
ジェット機で飛んでいけば、
それ程の時間も掛からない、
その様な感じである。
今年で60数回目の冬を迎える。
冬の思い出と言えば、雪しか無い。
雪が積もっても楽しく無い。
ただただ、邪魔な代物があるだけ。
雪を降ろす為に、屋根から落ちて死んだ人もいる。
雪を見て「素敵」とか「綺麗」とか言う人は
雪の幻想を見ているだけ。
雪は魔物。
人に幻想を抱かす魔物。
人にもその様な人がいる。
幻想を抱かす人がいる。
その様な人には注意しないといけない。