電柱と樹木(幸&ボーンの創作童話) 承
一部始終を見ていた観音は、どの様にしたら二つの物達が仲良くなるかを
考えていました。
…お互い、何故憎しみ合うのか?樹木と電柱は物が違っていても、
歪み合う事はないはずだ。…
観音様はこの様に考えていました。
しかし残念な事に観音像は動けない。
あの物達の側にも行くことが出来ない。
また、私はあの物に対して言葉を伝える通力も無い。
観音の想いをどの様に伝えるかを、思案していました。
そうだ!お釈迦様に相談しよう。
お釈迦様なら、通力であの物達に説教をしてれるはずだ。
観音像は、お釈迦様に祈りを込めて願いました。
強き願いは空間を飛び越えお釈迦様に届きます。
お釈迦様は、観音の想いを確かに感じ取る事ができました。
「観音像、また困った相談を掛けてきたの〜」
と、お釈迦様は、眠い目を擦りながら閻魔に言いました。
閻魔は、お釈迦様の側近です。
「そうですね。観音様は、無責任ですね。
困った事は何でもお釈迦様に頼ってくる。本当に困ったものです。」
と、相槌を打ちお釈迦が喜ぶ様に応える閻魔。
そう、閻魔はお調子者の太鼓持ちだったのです。
「閻魔、お前が行って話しをつけてこい」
と、お釈迦様は命令し、また眠ってしまいました。
困ったのは閻魔です。