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可笑しなお菓子(2)(ユニシロシリーズ)


「店長、面白い野菜を見つけてきました。」
と、いつもとは違う女性店員の松原千恵子だ。
声が弾んでいる。
「何だい、面白い野菜って?」
野菜の事より、いつもと違う松原の方が気になる店主。
「その野菜を食べると、
逢いたい人に会えると言う野菜です」
と、声が明るい。
「本当かい、そんな野菜あるのか?」
と、店主は疑いの、まなこで見つめる。
「この野菜の名前は『逢いたい菜』と言うらしいです。」

「何処に売っているんだい、その野菜は」

「売っている場所は知りませんが、今私が育っています。」
「育てているって、何だい?
まだ売り出されていないのか!」

「これからです。私が育てますからからこの野菜を
売り出しましょうよ」
と、テンションの高い松原千恵子だ。

「まあ、育てたらね・・」
と、力無い返事を返して
「それよりも、君いつもと違うよ!
テンションが高し明るい。
何かあったのかい?」

と、聞く店主には不思議な思いがあった。
…こんな明るい松原千恵子を見たことが無い。
恋でもしたのか?…

「あら、私普段と同じですが?」
と、明るく答える松原千恵子。

「いや、普段とは全然違うよ。今日の松原君は」

「それは、きっと私が作った
[可笑しなお菓子]のせいだわ。」
と、カバンからお菓子を出して来る。
「これが、以前のお菓子を改良した
[可笑しなお菓子]です」
と、店主に見せる。
「そんなのがあるのなら、先に見せてよ。」
と、店主はお菓子を手に取り、松原を見つめながら、

「何処を改良したんだ?
この前みたいに笑い顔になるのはごめんだよ」
と、不満気に言う。

「それは、・・・・」
と、思案しているのか言葉に詰まる松原千恵子だった。

その続きは次回に。


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