恋愛小説⁉️(10)
小説パート3番外編(10)
それは、私の今までの常識では考えることが出来ない事だった。
お姉さんの父親は、普段は褌をつけているのだが、時々、女性用の下着を履くのだ。
それもTバックである。
最近はそれの方が多くなってきたとの事だ。
それの方が、何の収まりが良いそうだ。
(なるほど、何の収まりがいいので有れば、一度試してみよう)
と思った。
ソペルはそんな事も知らずに両親のパンツで、あんな事を、、、、。
と思うと、笑えてきた。
笑っている僕を見て、お姉さんは睨んできた。
「何が可笑しいのよ。」
僕は、今思っている事を、喋る勇気はない。
「御免なさい。でもあのパンツ達は、一枚もお姉さんの物では無いのですね。」
「無い。一枚も無い。あの写真で見る限り」
僕は、え〜ーー。と思った。
「お姉さん。今持っているパンツを調べたら盗まれたかどうかわかるでしょ」
お姉さんは成る程と思ったのか、箪笥の中を調べ出した。
「見ちゃダメよ」
とキツく言われたが、ダメと言われたら、余計に見たくなるのが、
人情という物だ。
僕は見ないフリをして、そーと見てた。
ドッキとしたが、
不思議とボッキとは、しなかった。
「良っかた。全部有る。盗まれていない。」
と嬉しそうに僕の方を見た。
不思議に思ったのが、両親のパンツ(年寄りパンツ)だけを、何故ソペルは選んで持って行ったのだろう。
お姉さんのパンツは魅力のないパンツなのだろうか?
お姉さんのパンツがどんなパンツか見てみたいと思ったとき、ドッキとせずに
ボッキとした。
「でも、ここは5階でっしょ。ソペルはどの様にして、パンツを盗んだの」
と疑問に思って、お姉さんに聞いた。
普段洗濯物は、ベランダで干すのだ。
どうやって盗む?。
新たな疑問が湧いた。
「もしかして、ソペルはお姉さんの部屋に侵入して盗んだのでは?」
と言った時、お姉さんの顔は、みるみる、青くなっていった。
それは以前、僕とお化け屋敷に入った時の様に。
「そういえば、だいぶ前から、部屋の中が、
何か、、、。
おかしく、、、、
思う時があるの、、、、、」
と怯えながら小声で言った。
「どの様に、思うの?。」と優しく聞いた。
「部屋の中が荒らされてはいないのだけど、何か違和感があるの。よく分からないけど感じるの。女の勘っていうか、そんなものが、、」
あり得る。ソペルなら合鍵作るかも知れない。
又は、何らかの方法で、
鍵を上手く開けて、お姉さんの部屋を物色するくらいはするだろう。
イカれた奴だから。
「お姉さん、ソペルはお姉さんの部屋に侵入するくらいの事は、平気ですると思います。パンツ以外に盗まれたものはありませんか?お金とか、貴重品、装飾品とかは盗まれた物ないですか」
と、僕は本当に心配になって聞いた。
お姉さんは、不安におののきながら、別の箪笥を探した。
現金は盗まれてはいなかった。通帳もある。貴重品もあった。
しかし、口紅が一本無くなっていた。
それは、使い刺しの口紅であると言うことだった。
(わかる。それを盗んだ気持ちはわかる。)と思ったが口には出せない。
「貴重品、盗まれ無くてよかったですね。でも、もしかしたら、盗聴とか盗撮とかされていませんか?」
と言ったら、お姉さんの顔はもっと青くなった。
「盗撮、、、、。」お姉さんは、落ち込んだ様に固まった。
僕はお姉さんを抱きしめてあげたかった。
いや、抱きしめるべきだった。
僕は、据え膳を見ていた だけだった。
「部屋を探してみましょう。カメラ隠すとしたらお風呂か、、、、」
、、、部分はトイレと言いたかったが、
その言葉は、はばかった。
「お風呂場、、嫌だーーーー」と言って恥ずかしそうに怯えた。
「見てみましょう。」と言って二人でお風呂場を見ると、隠しカメラがあった。
しかも、此処に有りますと訴えているかの様に。
何故気づかないのか不思議なくらい。
お姉さんはそこら辺が無頓着なのか、
隠しカメラの形態そのものを、知らない人なのかも知れない。
カメラを直ぐに外した。
そして、カメラに有るメモリーカードを外し、パソコンに繋いだ。
そこに写っていたのは、衝撃の事実だった。
何が写っていたのかは次回に譲るとして、僕の期待は大きく外れた。
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