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怒る桃太郎その後は?(2分で読める小説)#ボケ学会


ある日、桃太郎にある情報が入ってくる。
それは、「海の底の竜宮城に乙姫と言う悪い鬼が男をもて遊び、
その男に飽きたら不幸のどん底に突き落とす悪い妖怪だ」と言うのだ。

元より正義感の強い桃太郎である。
「私は以前、鬼ヶ島で鬼退治に行ったことがある。
鬼滅の刃よりももっと前にだ!
私がその妖怪を成敗してくれるわ。」
と、桃太郎は侍の言い草で決意を述べる。
だが難色を示したのは、家来の猿、犬、キジである。
猿と犬は「私泳げないです」
と、泣きながら言う
キジは、「海の中では飛べないぞ」
と、威張って言う。仕方ないので、
桃太郎は一人で潜水具を身に着けて、竜宮城に向かう。
潜り泳ぐこと1時間、絵にも描けない美しさとはこのこと。
この世の物では無い荘厳な建物。

「此処か、あの有名な竜宮城は!」
と、怒りの気持ちで扉を開ける。
不思議なことに、竜宮城では潜水具を付けなくても呼吸が出来る。
竜宮城に入り、部屋を散策すると、世にも稀なる美女が
桃太郎の前に立っていた。
一目は貴賓に溢れる優しげな貴婦人。
…こいつか!乙姫様と言う魔物は…
と、警戒を強める桃太郎。
「そこの凛々しきお姿は何処の殿方かしら?」
澄んだ声で呼びかけてくれる。

…そんな甘い声を出しても、俺は騙されないぞ…
と、乙姫を睨みつける桃太郎。

「そんな怖い顔をしないでくださいな。私は何もしませんよ」
と、笑顔で手招きしながら言う。
「此処にお座り下さいな。今、鯛とヒラメの生き作りをお持ちしますので、
それでお酒をお召し上がりくださいな」

…歌では🎵鯛やヒラメの舞い踊り  だったはずだが?…
と、不思議に思いながらも、
桃太郎は油断したのか用意された席に着くのであった。

酒が桃太郎の警戒心を徐々にほぐしていく。
鯛とヒラメの生き作りは絶品だ。
そして、桃太郎は乙姫様と一夜を共に過ごすのであった。

桃太郎の喜びの声は、竜宮城に響き渡る。
いつしか桃太郎は「ピンク太郎」と
呼ばれる様になるのだった。

追伸
男の人は気をつけてくださいね。
強い意志をもっていても、魔力のある女性と、お酒には
叶わないかも知れません。

私の様に、モテない、飲めない男の方が安心ですよ。

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