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変身スーツのその後(3)(1分で読める小説)

「では、貴方が変身したい物をここに書いてください。」
と、男はメモ紙を私に渡してくる。
…私のなりたい者は、恥ずかしくて書けないのだが・・・…
と、思いつつも、書かざるを得ない。
私のなりたい者はイケメンであるが、
だがここは、いつも思っていた夢を叶えよう。
それは、いつも私を虐める上司に仕返しをする為に、
社長となって彼に嫌がらせをしたい。
私はためらうこと無く、社長の名前を書いた。

それを確認した男は、不安な顔で私を見ている。

「この名前の人は誰ですか?その人になりたいのですか?
仮にその人に成っても声は貴方の声ですよ。それに名前を書かれても
その人に成れるかどうかは解らないです。同姓同名もあるので。
もっと具体的に何に成るのかを書いてもらわないと、スーツも判断出来ません。」
と、目が怒っている。

「声は変わらないのですか?・・・具体的にですか・・・」
私は困ってしまった。私はモノマネは得意だけどあの声は出せない。
社長の声はダミ声でしかも訛りがある。
だが、上司に仕返しをしたい・・・・
その時、私は閃いた。
私はメモに、セクシー美女。
身長は158cmスタイル抜群。
誰もが振り向く様な美女
と、紙に書いて渡した。

男はそれを受け取り、ヤラシイ笑みを浮かべ言った。

「私も見てみたいです。どんな美女に成って出てくるかを」
と、私は彼の後に従って奥の部屋に入って行った。

次に続く

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