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接吻代行の続編(一分で読める小説)#毎週ショートショートnote#ボケ学会

僕のアルバイトは、接吻代行者。
恋人に代わって、接吻するのだが、
恋人のお互いが代行者を立てる為に
男同士で接吻している。
そう、接吻代行者は男しかいないのだ!
最初の頃は見知らぬ男と接吻する事に
違和感と嫌悪感があり、嫌々接吻していたのだが
生活の為と我慢していた。

今日の相手は三度目の男だった。
三度も唇を重ねると、不思議な気持ちに
なってきた。恋心だろう?
…あの人に会いたい!
今度もあの人が代行者に選ばれると嬉しい…
僕の恋心に火が灯った。
この仕事が苦にならなくなってきた。
生きる充実感が僕の身体に溢れてきた。
接吻代行者が定期的に受けるPCR検査。
僕は幸いな事に陰性だった。
これからも、この仕事を続けられる。
彼にまた会える。
嬉しさを隠しながら、彼と出会う日を待っていた。
しかし、彼とは巡り会わない。
何故だろうか?
彼はこの仕事を辞めたのか?
私の不安は高鳴った。
そして数日後、接吻代行の依頼を受けた。
お客様は彼だった。
彼には女性の恋人がいる。

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