LCC所感。その1

おばんです、野府です。

昨日、日帰りで北海道へ行ってきた。日帰りと言っても観光を楽しんで帰ってきたわけではない。新千歳空港に入っている寿司屋で古い知り合いと食事をして、JR北海道の窓口しか購入出来ない切符を購入して帰ってきただけである。滞在時間は3時間程度だけだ。

これを思い立ったのが6月13日、そして昨日16日に実行したわけだが、"たったそれだけの理由”で神奈川から新千歳往復を出来たのは、少し前に話題になったLCC、ローコストキャリアのおかげである。成田空港までのアクセスを入れても、自宅からは片道1万円未満ということもあって即決した。(友人が
名寄からたまたま札幌に出て来ていたタイミングの良さもあるが)

さてさて、ご存知の方も多いだろうが、航空会社には国内線だと大きく分類して3種類ある。


1.日本航空JAL・全日本空輸ANA。

いわゆる日本の大手航空会社。
レガシーキャリアとか、フルサービスキャリアとも呼ばれることがある。
なんと言っても、その特徴は抜群の路線網や遅延時の保証、充実した機内サービスなどといったメリットがある。最近は機内でもスマホでネットが使えるよう、人工衛星を経由してWi-Fi接続可能な機材も多い。また関東だと羽田、関西だと大阪伊丹発着便が中心で利便性に優れる一方、運賃が比較的高価であることがデメリットである。利便性の高い空港は離着陸が逼迫していて、航空会社が各空港に払う空港使用料が高価…という理由からでもある。

2.AIRDO・スカイマークといった「新規参入組」。

新規と言っても四半世紀は経過しているが…。運賃水準がレガシーとLCCの中間あたりに位置する会社だ。
45/47体制の規制緩和が電電公社や国鉄の民営化と同時期の昭和末期にあり、それ以降に設立された会社である。
(ちなみに、45/47体制というのは各社への路線の割り振りを当時の運輸省が取り決めたことである。JALは国際線・国内幹線、ANAは国内幹線と亜幹線、TDA 東亜国内航空→JAS 日本エアシステムはローカル線中心という決まりで、その拘束力の強さから『航空憲法』と呼ばれた)

機内サービスの簡略化や機材の統一という経営努力によって、運賃が1のレガシーキャリアより若干安い。また利用者が多い路線のみの運行に絞ることによって、空席を極力減らして収益性を高めている。裏を返すと、国際線から国内線への乗り継ぎや国内→国内の乗り継ぎに関してはあまり考慮されていない。
だがLCCだと基本有料である荷物の預け入れや座席の指定も追加料金がかか
らないことが多く、また都心側も羽田空港発着と利便性も良い。


3.LCC。

日本の国内線だと、ピーチ・アビエーション、ジェットスター、春秋航空(スプリングジャパン)。格安航空会社と言えばこれを指すことがほとんどである。

機内のドリンクサービスはもちろんのこと、荷物の預け入れや座席を選ぶことすら有料で、語弊があるかもしれないが"サービスの切り売り”をすることによって基本運賃をかなり低廉に抑えている。都心側は成田がメインであり、比較的離着陸枠に余裕があるため空港に払う手数料も安いからだ。当然新規参入組のような機材の統一はもちろんのこと、座席間隔を狭めて定員を増やしたり、もっと言うと清掃が楽になるという理由で座席も革張りだったりする。

上記を読む限りだと、2の新規参入組が一番良いように感じるだろう。しかしながら、LCCのように「格安」という運賃なわけでもない。

旅客機の正規運賃はあまり参考にならないので、ちょうど今日から1ヶ月後、7月17日・日曜の東京(羽田・成田)→札幌(新千歳)の片道運賃を見てみよう。エコノミークラスで、時間帯は午前中で絞り込んでみた。
シーズンで日曜ということもあってLCCも最安ではないが…。



JAL・ANAが3万円前後、AIRDO・スカイマークが2万円前後。対するLCCはおよそ1万円程度である。つまり羽田〜新千歳の往復だと(単純計算だが)倍の4万〜6万円かかるのが、LCCだとおおよそ2万円で済むわけである。

これは相当に大きい値段差だと思うのだ。成田空港まで往復する時間と交通費、手間は確かに無視できないし、LCC専用の第三ターミナルは成田空港でも若干不便な場所にある。前述の通り「サービスを切り売りしている」訳だから、荷物の預け入れや座席の選択は有料だし、乗っている最中に喉が渇いたらかなり割高な値段で缶ジュースを買うことになる。

では、果たしてそこまで面倒くさいことをしてまで、2万円程度を浮かせる価値があるのだろうか?

…話が長くなってしまったが、次回はジェットスターと春秋航空で成田〜新千歳往復したレポートのようなものを投稿しようと思う。
それを読んでいただいて、【2万円】の価値があるのかないのか判断していただければ幸いである。
逆に言えば、2万円払って羽田空港発着便を使うか否か…ということだ。




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