飯塚さき「日本で力士になるということ 外国出身力士の魂」
飯塚さき「日本で力士になるということ 外国出身力士の魂」(ホビージャパン)。電子書籍版は出ず。10のコーナーで4人の現役力士と3人の引退力士と5人の親方が紹介されている。いずれもレスリングや柔道から日本や相撲に興味を持って来日、入門。日本語の壁、食べ物の違い、部屋という特殊な環境などに悩んできた。しかしいずれも日本文化に馴染んで乗り越えてきた。できれば自分が出してみたかった出版企画。
1️⃣外国人力士のパイオニア(高見山)
・アメリカ🇺🇸ハワイ出身。何もかも初。この人がいるから、これまでの外国人力士たち196人の存在がある。初優勝、初親方など全てに初尽くしの苦労。
2️⃣「人格者」が見る大相撲の世界(鶴竜親方)
・モンゴル🇲🇳出身の横綱。角界一の人徳で誰もに慕われる。力士会長も務めて信望が高い。日本人の魁皇(浅香山親方)、外国人の鶴竜がいい人の双璧か。
3️⃣モンゴルが紡いだ相撲の血統(豊昇龍)
・モンゴル🇲🇳の英雄・朝青龍の甥である格闘技一族のサラブレッド。柔道→レスリング→相撲と進化。今最も注目の力士。
4️⃣遊牧生活が生んだ豊かな心(霧馬山)
・遊牧民出身でモンゴル🇲🇳相撲から日本の大相撲に挑戦。実力をつけて三役昇進。日馬富士に似たタイプ。
5️⃣中国から波乱万丈の土俵人生を歩んで(荒汐親方〜蒼国来)
・中国内モンゴル地区🇨🇳の出身。苦労して入幕した直後の八百長疑惑で解雇。裁判の末に、2年後に現役復帰した不屈の精神。彼を守り続けた師匠との心の絆で部屋を継いだ。
6️⃣欧州生まれの反骨精神と改革の男(鳴門親方〜琴欧洲)
・ブルガリア🇧🇬出身のレスリングのヨーロッパエリート。科学的に考える人だけに角界の旧態に悩みつつ、人の何倍も努力して大関となり優勝も経験。佐渡ヶ嶽部屋から鳴門部屋を独立。
7️⃣角界から羽ばたいた元力士たち(舛東欧、臥牙丸、阿夢露)
・阿夢露はロシア🇷🇺出身で度重なるケガを乗り越えて幕内力士に。引退後はスポーツトレーナーとして活躍。
・臥牙丸はジョージア🇬🇪出身。柔道出身で、明るい生活で誰にも好かれる。日本に残って何ができるか模索中。
・舛東欧はハンガリー🇭🇺出身で、照ノ富士戦での大怪我で関取にはなれなかったが、引退後にハンガリー大使館職員となる。
8️⃣明るさと前向きが最大の武器(友綱親方〜魁聖)
・ブラジル🇧🇷サンパウロ出身の日系3世。やはり柔道から日本に親しんで、体重200kgの恵まれた体型。ジュニア世界選手権で豪栄道や栃ノ心と戦って3位入賞。引退後は大島部屋付きで友綱親方を襲名。
9️⃣柔道と相撲、そして日本に魅せられて(栃ノ心)
・ジョージア🇬🇪出身で大関も初優勝も経験。柔道やサンボに親しみ、やはりジュニア世界選手権で来日して春日野部屋に入門。ジョージア料理の名手で、帰化の予定はない。
🔟横綱の相撲愛と国際観(照ノ富士)
・モンゴル🇲🇳出身で大怪我と大病によって大関から序二段に落ちてから、大関復帰して横綱に昇進。明確な目標を立て、信頼する仲間を持ち、今ある場所で咲くことに努力の人。
◆コラム
・鶴竜の外国語習得講座
・ニコライ(阿夢露)の相撲トレーニング
・栃ノ心風ジョージア料理クッキング
・外国出身力士一覧