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吉祥寺「街々書林」店主のエッセイが集英社「すばる」の「旅に出よう 物語に会いに」特集に掲載

吉祥寺「街々書林」店主のエッセイが「すばる」に掲載された。  
 集英社の月刊文芸誌である。さっそく芳林堂高田馬場店で買ってきた。小柳淳「旅と本の幸せなつながり」。特集は「旅に出よう 物語に会いに」。特集の中の一文に選ばれている。並んでいる著者たちのラインナップがすごい。綿矢りさ、佐藤厚志、吉本ばなな他。読んでみたら文章が上手いのである。ごく自然な導入部。盛り込まれた旅の歴史エピソード。チェコ🇨🇿のお姫さま👸の話。会津の地名の由来。誰でもが知っているような史実ではない。よほどの読書が下地にないと出てこないレベルである。
◆集英社「すばる」↓
https://subaru.shueisha.co.jp

「すばる」10月号表紙
「すばる」10月号目次


 4ページの後半に、彼は吉祥寺で開いている書店「街々書林」の運営について語っている。全ての店内在庫を自ら読んで選んで調達している。これはなかなかできそうで、できないことである。なぜなら本は1日に300種類も出ているから。もちろん「旅」というテーマに絞り込んでいるからできることだ。それでも誰にでもできることではない。かつて隆盛を誇った「ヴィレッジヴァンガード」の凋落について、チェーンストア研究家の谷頭和希氏が「(多店舗化による)人材育成の失敗」を理由の一つに挙げていた。これに対して勢いが衰えない「ドン・キホーテ」は「主権在現」という立場で、主権は現場にあるという主義を貫いている。
◆谷頭和希氏の文↓
https://toyokeizai.net/articles/-/822603?display=b

谷頭和希氏の撮影したヴィレッジヴァンガード店頭


 小柳淳氏は大学の同級生で、ずっと同人誌を一緒にやっていた。徹底的な香港🇭🇰好きの変わり者だった。彼は鉄道会社に入ったが、そのキャリアの中で、グループの旅行代理店やホテル業の社長も務めて、プロフェッショナルな知識も身につけている。街々書林の傍ら、ジョルダンにも「10倍堪能!海外旅行の超スキル」を連載中。だから単なる旅好きとしてだけでなく、旅の世界に深く広がる知識を裾野に持っている。だからこそ集英社に旅の道先案内人として、著名作家に伍して選ばれたのだろう。お店のオープンを少し手伝わせてもらったので、冒険的試みが成功して欲しい。それが閉店に喘ぐ書店業界の、小さくてもいいから苦境を打破した成功例となってくれれば。
◆「街々書林」↓
https://machi2.hp.peraichi.com/tabi/

街々書林
店主の小柳淳氏

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