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今でも観ただけで涙が止まらない人

今でも観ただけで涙が止まらない人がいる。それは元キャンディーズのスーこと田中好子さん。足立区梅田の田中屋釣具店の次女として産まれた庶民派。自分はもともと丸い印象の女性が好きだった。だからラン、スー、ミキの3人ではスー派だった。アイドルに夢中になったことはなかった。後にも先にも初めてだった。まだそんなにメジャーではなかった頃。蒲田の産業プラザでコンサートに行って虜になった。アイドルというより、まるでロックコンサート🎸の乗りで、大音響でガンガンとノリノリで演っていた。

テニスウェア姿のキャンディーズ🎾
タンクトップ姿のキャンディーズ
浜辺で水着のキャンディーズ🏖️


 でもキャンディーズは、ある日突然「ふつうの女の子に戻りたい」と解散宣言した。それまではロボットだったタレントが、事務所に断らずに自分の言葉を発した画期的な事件だった。そもそもテレビやラジオは台本通りに喋る。「吉田照美のテルテルワイド」に出演した際に、自分も含めて出演者全員が台本通り読んでいるだけで番組が終わってしまったことに唖然とした。だからタレントそれもアイドルが、台本外のことを自主的に喋るって信じられないタブーであった。
 後楽園球場での解散コンサートは、チケットが抽選で外れてゲットできなかった。僕らは同時放送で、エンディングの「あこがれ」「つばさ」を聴きながら泣いていた。その後に藤村美樹さん(ミキ)は完全引退、伊藤蘭さん(ラン)は俳優を経て歌手となった。田中好子さん(スー)は「黒い雨」「ちゅらさん」などで実力を評価された名女優となった。『なんだランとスーのその後は、ちっとも「ふつうの女の子」じゃないじゃない』とも思った。でも3人ともアイドル歌手ではなく、違うことをしてみたかったのだろう。
※ちなみに太田裕美がキャンディーズに加入予定があったというのは、ガセネタだそうだ。ある番組のアシスタントのオーディションに一緒に参加していたとのことが真相。
https://www.youtube.com/watch?v=wUZNk5Vc0po
 しかし田中好子さんは、東日本大震災の年に、55歳にして乳癌で早逝されてしまった。死出の旅に出る前の録音が公開された。振り絞るような声だった。聴いていて胸を抉られるような、切々としたモノローグだった。自分も田中好子さんを悼んで葬儀に参列した。関係者だけでなくファンも入場を許された式だった。受け取ってもらえるかどうかわからなかったが、香典も用意した。結果的に受け取って頂き、旦那さんである小達一雄さん(夏目雅子さんの義兄)が、香典返しに泉屋のクッキー缶を全員に手渡ししてくれた。先日に「ちゅらさん」の再放送があった。そこで国仲涼子さんの母親役で出ている田中好子さんの元気な姿を見る度に目がウルウルしてしまう。これは連れ合いも同じ気持ちだと言っていた。田中好子さんの遺言は以下↓
https://www.youtube.com/watch?v=jdEg_xvoGPE

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