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末廣圭「饗宴」

末廣圭「饗宴」。電子復刻第59弾。官能ロマン小説なので、今日のお話しは、女性の方々は読まなくて結構。官能ロマン小説なので、今日のお話しは、女性の方々は読まなくて結構。新宿歌舞伎町の質屋「スギヤ」三代目社長の杉崎省吾は、齢38歳の根っからの遊び人。酒にゴルフに、何より好きなのが女。仕事柄、途方に暮れた女性・里奈がやって来ると、放ってはおけない。今回はデパートで12万円の指輪で、10万円を貸して欲しいとのこと。質草の価値に対して、1/10の融資が基本の業界。しかもこんな安っぽい指輪では、貸すに貸せない物件。しかしお金に困っている理由が父親の病気と聞き、省吾はポケットマネーの10万円を無期限無利子で渡す。後日、女性の名刺に書かれた店に行ってみると、そこはソープランドだった。里奈が身も心も美しい女性であることを見抜いた省吾は、彼女を湿った個室から救い出す。
 里奈との交流の合間合間に、亡き親友の妻・伊織と義娘の寛子との3P、新橋のクラブ「牡丹」のママ・由比との横浜での野外セックス、フィリピンパブ「ビニビニ」のエリカとの交流などが、描かれる。途中で小田桐刑事が、ヤクザの情婦によるローレックス持ち逃げ事件や、フィリピンパブでの同僚金銭の持ち逃げなどを「スギヤ」に聴き込みに来る。伊織からローレックスの、エリカからフィリピンパブ持ち逃げ事件の情報がもたらされるが、事件解決のミステリーにはならず。しかし結局のところ、それぞれがやりっ放しで、物語は交わらず。こういうところが官能ロマン小説たらんところかもしれない。
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