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ボリウッドの奇跡「ガリーボーイ」

目黒シネマ「ガリーボーイ」。ボリウッドと呼ばれるインド映画界の革命と称された映画。インド映画十八番の伝統音楽と違って、ラップ音楽界を描いている、インドのミュージカル映画。「ホテル・ムンバイ」の凄惨さとは対極にある映画。
 ムンバイのスラム街に住む貧しい青年ムラド。父親は、しがない雇われ運転手。富豪の娘で、医大生の恋人を持つ。ムラドは、ある日ラップに目覚める。学内のMCシェルのコンサートに感激して、作った歌詞をシェルに「歌って欲しい」と申し出たムラド。シェルは「自分の心は、自身で歌え」と背中を押す。シェルがプロデュースしてくれた動画サイトで人気を博したムラド。ガリーボーイ(路地裏の少年)と名乗ってデビューした。息子に自身の二の舞をさせないために大学に行かせた父親は、ムラドの行為に激怒する。そんな中でメジャーアーティストの前座のラップコンテストで決勝に進出する。「お前の胸には嵐がある」と、準決勝で落選したシェルが、ムラドを励ました言葉にハートが疼いた。悲惨な現実と葛藤しながら、諦めずに夢を掴んでゆく、インディアンドリーム。
 それにしてもインドの階級格差、父権そして夫権の絶対。今の欧米や日本では考えられない。ハッピーエンドを描きながら、インド社会の矛盾についても、この映画は行間で語っている。
http://gullyboy.jp

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