アメ横「カドクラ」休業宣言、叱る勇気も必要
コロナ禍が第5波を迎えて感染者が激増している。幸か不幸か200人いる職場に未だ一人も発生していないので、少なくとも第1号にはなりたくない。ワクチン接種も2回済みなので大丈夫だとは思うけれど。
非常事態宣言に関しては言いたいことが一つある。外出自粛が呼びかけられて、飲食店には酒類提供禁止や夜8時閉店の要請が自治体から出されている。感染者を減らすためにはワクチン接種、感染者を増やさないためには外出制限という施策はわからなくもない。しかしアメ横を通ると自粛して閉めているお店と、堂々とお酒を出しているお店のコントラストがクッキリしているのは、いかなるものか。カドクラの店主は安全のためにお店を閉めていることをハッキリ宣言している。しかし真横の老舗居酒屋はアッケラカンとお酒を出している。
これでは戦後の闇市ではないが、自粛損である。某大手飲食店チェーンのように記者会見で、自粛をやめたら売上が倍になったと発表している経営者までいる。政府も首長も舐められたものである。だいたいがルールを破っても注意しないから、誰も言うことを聞かなくなる。学校で校則を破って騒いでいる生徒がいても、どの先生も注意しなければ、それは校則を守ること自体が馬鹿馬鹿しくなる。これは法律でロックダウンができないとか、過料を課すのに裁判所の指示が必要とか、そういう仕組みの問題ではない。ロックダウンができるようになっても同じ。例えて言えば、電車の優先席シートで老人や妊婦を目の前に立たせて座っている若者のモラルのような話。まずいと思うことには、ドイツのメルケルやニュージーランドのアーダーン両女性首相のように喜怒哀楽を顔に出して、現場に行って面と向かって注意すべきではないのか。国民に嫌われないように、腫れ物触らずの事務的な答弁と為政には限界がある。叱る勇気も必要である。