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「君たちはどう生きるか」2回目

スタジオジブリ映画「君たちはどう生きるか」2回目の鑑賞。前宣伝が意図的にされていなかったので、1回目の鑑賞でストーリーを頭に入れた上で2回目を観ることができた。パンフレットも買ったが、解説らしきことはほとんど書いていない。僅かに宮崎駿の自伝的作品、生死の世界を行き来する眞人(主人公)くらいの表記。ラスト2頁にエンドロール全文みたいなのが出ているが、出演者の配役すら書いていない。相変わらずのポーカーフェイス。
1️⃣父親が再婚した亡くなった母の妹(夏子)(戦中戦後頃まではよくあったと聞く)への息子(眞人)の葛藤と、直ぐに馴染まない眞人への義母のジレンマ
2️⃣転校先の虐めを、嘘でクラスメイトに報復しようとした眞人のあざとさ。
 おそらくはこの二つの克服による、主人公の成長がメインテーマ。月並みなテーマと言えばそれまでであるが、これこそまさに原作(?)を体現している永遠のジュブナイル小説。舞台は謎の館を入口とする、生死の世界にまたがる幽明境。そこでは衆愚の鳥たち(セキセイインコ🦜)がのさばる世界。ありとあらゆる光景が死の陰を宿している。死が生を送り出し、生の果てが死となる。優れた芸術家は老境に至ると、死を描きたくなるものなのかもしれない。暗喩的な表現が多い。これまた、わかり辛いより、わかりやすい方がいいに決まっている。どちらかと言えば、宮崎駿監督の作品は前半の方(「魔女の宅急便」くらいまで)がわかりやすかった。それでも宮崎駿の描く幽冥界は魅力的。日本中のアニメ界(新海誠は除く)が総力結集して参加しただけのことはある。わからないこと、自分で考えること。それが「紅の豚」「もののけ姫」以降に、宮崎駿監督が観る者に送ったミステリーかもしれない。


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