仕事納めに振り返る再雇用の心構え
今日で2021年仕事納め。今は相撲の仕事はほぼ一段落ついて、大半は電子書籍の仕事に従事している。半分が文芸とノンフィクションのオーサリングでこれは単純作業。もう半分が漫画の復刻。こちらは実質1人出版社で、企画はもちろん出版契約から配信まで全ての工程をカバー。今までは半分の仕事でのんびりできる業量だったが、漫画が加わって火の車。幸いにして外部に良きパートナーを得て、おかげでなんとかやりくりできている。前者はSNSでアピールして、著者から感謝のメッセージが頻繁に来て嬉しいドッキリ。後者は著者はもちろん読者にも喜んで頂けて、製作者冥利に尽きる。
自分は前職の社長を降りてから、平となって環境がガラリと変わった。殿様から足軽への転職である。それも勝手のわからない他国領。今までは部下に任せて、会議・決裁・考課・宴会が仕事だった。出版社で言えば編集や営業という現場から偉くなればなるほど遠くなる。だから社長って意外と暇なのである。元々の職場でも社長と会食する際には、会議が終わった後の社長は早く来て待っていて焦ったりしたものだった。だから今は社長時代より忙しい。朝9:30から夜8時過ぎまで目一杯働いている。この歳になると体力的には結構こたえる。しかも自分は不器用で大雑把な性格なので、ずいぶんミス失敗続きだった。今まで頭を下げられていた人から頭ごなしで叱責されたりして、グッと奥歯を噛み締めてこらえたことも多かった。このあたりが偉かった人々が再雇用で乗り越えねばならないところ。自分はずっとプロジェクトリーダーやマネジメント職だったが、平としては自分は決して優秀ではないのである。
それと宴会続きだったのがすっかり減った。コロナ禍もあったが、先ず公式宴会がなくなり、業界の宴会も数えるほどになり、取引先の接待がなくなり、職場内の飲み会がなくなった。自分は意外とシャイで特に立食パーティは苦手だったので、気の合う人とだけ飲めばいいから気楽になった。それで以前よりは懐に少し余裕ができた。社長時代はとにかくやたらと奢らなければいけなかったが、今は割り勘で飲める。社長を降りて年収は半分以下になったので、小遣いも半分にしてもらったが、それでも社長時代よりよほど余裕がある。社長だからといってなんでもかんでも経費で落とせるわけではなく、いつも給料日前に小遣い資金繰りで四苦八苦していた。入るものが多いと出るものも多いのである。従って、社長から平になって、かつコロナ禍の下、意外と平穏に生きている昨今である。