亡父の寿命を越えた今
7月22日は父の命日だった。今から35年前のこと。平成元年で、「おたかさん」こと土井たか子率いる社会党が、参議院選で圧縮した日だった。そんなわけでこの日は唯一選挙に行けなかった日。この時の父は、去年の私と同い年だった。と言うことは、私は父の寿命より1年以上長らえたということだ。
父は日本で最後に横浜軍事裁判で裁かれたBC級戦犯で、その記録が小林弘忠氏の著作「逃亡」が「日本エッセイスト・クラブ賞」を受賞し、NHKで井浦新が主演する「最後の戦犯」というテレビドラマになった。昨日も朝日新聞社の取材が来た。家族における戦争の情報がどう伝わるかを取材したいということだったので、昨年の油山観音慰霊祭に出席した息子にも同席してもらった。いずれ社会面で扱われるということだ。
本人は処刑を免れて拾った命を大切にしていた。職場では労務畑で、労働法や労務管理の本を和多く読んで勉強していた。自分にそんな根気がなくリスペクト。父はどちらかと言えば健康フェチな生活だった。それなのに胃癌が転移して、2回の手術でも助からなかった。自分はどちらかと言えばファザコンだったので、他界した時は身体から水分がなくなるくらいに号泣した。自分は何歳が寿命なのかわからないが、早死にした父の分まで健康寿命は保って生活したいものだ。