菊池健「漫画ビジネス」(クロスメディア・パブリッシング)
自分の仕事にも直結しそうなので読んでみた。菊池健「漫画ビジネス」(クロスメディア・パブリッシング)。電子版はこちら↓
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大ヒット漫画『鬼滅の刃』の経済規模は、2020年で推定約1兆円。日本の漫画は、なぜ成功を収めることができたのか? そのヒントは、「裾野広ければ頂き高し」。日本の漫画業界は、世界で最も多くのクリエイターが、その頂を目指している。なぜこのような創作の好循環をつくることができたのか。また、漫画ビジネスへ新たに参入することはできるのか? 本書では、コンサル出身で漫画業界に参入した著者が、ビジネス視点で世界で通用する面白い漫画のつくり方について考察を深めてゆく(以上、公式解説)。
ここ数年は電子書籍の仕事をしていたので、この業界について知らないわけではないのだが、ここまで集大成してくれた本はかつてない。そして読めば読むほど、漫画の世界がドラスティックな環境変貌を遂げていることに背筋が寒くなる思いだ。今や漫画コンテンツビジネスは、上流から下流まで意識も行動もすっかり様変わり。漫画だけが、日本の出版業界の殻を破って飛び出している。それどころか韓国🇰🇷からウェブトゥーンの波がやってきて、巨大マネーが動く世界戦線と化している。そんな風雲急を告げていることを述べながら、一方で著者を含めた制作現場の守り方をコアコンピタンスとしている。野球で言えば制作は守り、営業と投資は攻撃の局面。細心にして大胆に取り組むが肝要な時代となった。