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「第二コリント人への手紙」第1章23〜24節「喜びのための協力者」
2/26の尾久キリスト教会における高橋武夫先生の説教。テーマは新約聖書「第二コリント人への手紙」第1章23〜24節。題して「喜びのための協力者」。これはパウロがコリントの信徒に宛てた書簡である。宣教師たちは、信徒たちを支配監督するのではなく、信徒たちが神の愛を享受するための協力者であり、下僕である。それを「牧会」と呼ぶ。具体的には教会における説教や聖餐式などの、牧師の奉仕や配慮を指す。
ベルリンフィルの常任指揮者であったヘルベルト・フォン・カラヤンは、オーケストラの練習中に激しく譜面台を何度も叩いた。練習そのものは上手くいっていた。しかしカラヤンが発したことばは「あまりにも調和し過ぎている」。カラヤンは演奏者たちの個性や情熱や変革への意欲の欠如を演奏者たちに問うたのだ。
理想の牧会とは多様な個性を、寛容な心で受け入れることだ。日本ホーリネス協会は管理監督制の組織である。しかし決して高圧的なカリスマ性によって教会を管理することは自戒すべきである。ユダヤ人の智慧の書である「タムハート」には「全員一致した案件は否決されるべきである」と記されている。富士山が世界自然遺産に認められたのは、シンメトリーに広がった裾野を持っているからである。社会は頂上だけでできているわけではない。裾野があってこそ形成されている。教会も牧師や役員だけで機能しているのではない。全ての教会員あっての教会である。パウロの牧会理念は、ありとあらゆる人が立場に関係なく、神のみ言葉の前にへりくだって、常に信仰をリフォームすることなのである。
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