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Merry Xmas🎄、「ルカによる福音書」第2章8〜21節「草の根から始まる平和」
Merry Xmas🎄。12月22日の尾久キリスト教会における広瀬邦彦先生による説教テーマ「ルカによる福音書」第2章8〜21節「草の根から始まる平和」。教会は降誕節(アドベント)第4週を迎え、クリスマス礼拝🎄。
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新聖歌76番「諸人こぞりて」は最も有名な讃美歌である。第5節には「平和の君なる御子を迎え」とある。イエスの時代の最高権力者は、ローマ皇帝アウグスチヌスである。皇帝の勅令によって、ヨセフはナザレから身重のマリヤを連れて、戸籍登録の旅に出た。しかし旅先でマリヤが産気づいた。しかしローマ皇帝令による民族大移動の中で、宿で部屋を取ることもできなかった。そこで産まれたばかりのイエスは、馬小屋の飼い葉桶に寝かされることになった。ここで世の王であるローマ皇帝と、平和の君なるイエスのどちらが本当の王であろうか?
第10節で天使は羊飼いたちに、救い主の到来を告げた。この時代の羊飼いとは、世間で見下されていた仕事だった。いわゆる3Kである。きつい〜朝昼晩ずっと羊たちの世話。臭い〜動物たちの獣臭が身につく。危険⚠️〜狼🐺や熊🐻から羊🐏を守らねばならない。そんな人々に天使は福音を第一に伝えたのである。おそらく天使のいた時間は短く、過ぎ去った後の羊飼いたちは「幻を見たのだろうか?」という思いの中、1人が「ベツレヘムに行って確かめよう」と大挙することにした。彼らがイエス誕生の証人となった。
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今日取り上げた箇所のコアは第14節「いと高きところでは、神に栄光があるように、地の上では、み心にかなう人々に平和があるように」とある。自分は「み心にかなう」という箇所が以前から引っかかっていた。『果たして自分はみ心にかなっているのか?』。しかしある説教集に、神の恵みを「み心にかなわない私を、み心にかなうと認めてくれること」とあって得心した。
新聖歌89番「神は独り子を」の作詞者は、伝道者の三谷種吉氏である。第1節には「神は独り子を 賜うほどに 世人を愛したもう 神は愛なり ああ神は愛なり 汚れ果てし 我さえ愛したもう 神は愛なり」とある。「ヨハネによる福音書」第3章16節「神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった」とある。その心は「それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである」と明かされる。神は自分に敵対した人類に対する愛を、十字架による罪の浄め、イエスの復活による永遠の命を与えることで示された。
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お世話になった先生の言葉で「神の恵みは『でない』ものを『である』と呼んで下さることである。私たちは神の恵みにかなうものではないが、キリストの御業で『かなう者』にしてくれる」と語っていた。アウグスチヌスはローマ帝国の初代皇帝で、平和をもたらせた王として名君と称えられている。しかしローマ帝国の平和は本当に平和と言えたのであろうか。否、戦いによって戦いを終わらせただけである。あるいは政治的駆け引きで、政敵を排した末に得た平穏であった。聖書の平和とは、聖書の平和とは「平安」とやくされる。それは神や隣人との和らいだ関係で、心の中から始まる。権力による平和は、本当の平和ではない。真の平和は、羊飼いたちのような平凡な人の間に生まれる。神の愛は、自分自身を受け入れて、許すことである。
コロナ禍の時期にはできなかったクリスマス祝会🎄を今日は開くことができる。牧師兼ベストセラ作家のノーマン・ピール「クリスマス名言集」によれば「私は本気で信じている。クリスマスの物語を語り続け、クリスマスの歌を歌い続ければ、この世に平和が訪れる」。
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結論を言おう。ローマ帝国の栄華は過去の歴史となった。しかしクリスマスには、今でも世界中がキリストの誕生を祝っている。まことの君、平和の君とは、まさにイエス・キリストなのである。