森美智代「週末だけでいい!小食健康法」
森美智代「週末だけでいい!小食健康法 やせる! キレイになる!」(徳間書店)。あるあるのコロナ太りの中で、たまたま前月に牡蠣アレルギーと食中毒になったので、ドンピシャのタイミングで電子書籍化を担当。帯にある「そんなに食べる必要ある?」は耳に痛い。人は必ずしも空腹で食べているとは限らない。興味本位、義務感、ストレス発散など食欲以外のモチベーションも多々ある。だからと言って、食欲を蔑視する発言も、これまたいかがなものかとは思うが。
本書は3つの章で構成されている。第1章「いまが、自分の食べ方を見直すチャンスです」。ここで少食の効果や手順が説明されている。第2章「おすすめの少食実践法」。青汁、玄米などの自然食や水分摂取について説明。煮沸したペットボトル飲料ではなく、生水飲用を勧めているのがユニーク。第3章「〈体の浄化〉とセットで行いたい西式健康法」。本書は美容とダイエットを扱った本なので、そのための各種運動や生活習慣「硬い板の上に寝る」「木の硬い枕を使う」などについて提案。
自分が最も読むべき箇所は第1章。夕食が多いと消化のために胃や肝臓が動き続けるので、熟睡や目覚めの妨げとなる。また記憶力の点でも、肝臓と脳は血液の取り合いをしている。少食は腸内細菌の悪玉を増やさず、腸活を活発化させて、免疫力もアップ。過食は各臓器が大量の栄養物を処理することに過労状態に陥る。では具体的に、どう少食を進めるか。肝要なのは一気にやらずに、ゆっくりと慣れてゆくこと。例えば1日の摂取カロリーを2,500kcalとして、1年かけて200kcal減らして、5年間に1,000kcal減らすというぐあい。順番として①夜食をやめる、②間食・つまみ食いをやめる、③夕食を減らす、④朝食を減らす、⑤朝食を抜く、⑥昼食を少なくする。
この中で最も大事なのは①と②。これがわかっちゃいるけどやめられない。①は遅い時刻の夕食も同様の悪影響。残業続きの時期や職場に起こりがち。②はコロナ禍で在宅勤務が増えたことで増えがち。自分は甘い物より煎餅・スナック好きなので、飲んだ二次会のカラオケは危険。さすがに⑤は大丈夫か?という気もするが、身の回りに断食を習慣としている人はそこそこいる。谷川俊太郎先生は、1日1食しか食べないとおっしゃっていた。断食を習慣としている高校時代の同級生である友人夫妻もいる。。第2章にあるように、日に青汁一杯だけで生活するという人生もあるのだろうが、それでは何を楽しみに生きてゆくのか葛藤する。モデルや俳優などストイックな体格管理が必要な場合など、何を人生の目的に置くかで生活習慣は変わってゆくと思う。
著者の森美智代先生は、看護教諭として勤務中に、脊髄小脳変性症を発症。この時に甲田医院の甲田光雄先生の療法をきっかけに、少食と西式甲田健康法を実践して難病を克服。その後は鍼灸師の免許を取得して「森鍼灸院」を開業する傍ら、多くの著書を著されている。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08Q7JJNF1/