クリスチャン三浦綾子
尾久キリスト教会の高橋武夫牧師の10月25日の説教から。この日の題材はヨハネ伝第2章1節から11節。イエスが婚礼の席で、6つの甕の水を葡萄酒に変えた奇跡を伝えた箇所である。この日の説教のエピソードは箱根「氷点」「塩狩峠」など映画化もされた大ヒット作を生んだ、クリスチャン作家の故三浦綾子先生(1922〜1999)について。人生の葛藤と信仰について多くの作品を執筆した作家。「氷点」は複雑な生い立ちを抱えるヒロインの苦難を通して、人間の原罪を描いた。「塩狩峠」では鉄道事故で殉職した実在の人物の自己犠牲を通して、信仰に生きる人間の尊厳を謳った。
https://ja.wikipedia.org/wiki/三浦綾子
そんな三浦綾子の晩年は、癌との闘病生活であった。病魔と戦いながら、彼女は「自分がどういう死を迎えるかが私の仕事」と、信仰に根ざした作品を次々と発表した。亡父の戦犯時代を「逃亡」でルポした小林弘忠氏も、癌で入院しながら、何冊も著書を刊行された。自らの病床ですら題材にして。「あらゆる学問は旅人である」。これは途上性の真理である。何故なら解釈は時代によって変わりゆくからである。表現者は最期の最期まで筆を置かず。