大相撲2023春場所は霧馬山が初優勝
大相撲春場所が千秋楽を迎えた。観戦しての感想。横綱・大関は休場で不在だったが、関脇・小結陣がしのぎを削り合う展開。横綱・大関がいなくなった後、あるいは来年の春場所の番付がどうなっているか。今後の角界勢力図が見えたような展開だった。
1️⃣ 優勝は新関脇の霧馬山
・その充実ぶりは目覚ましい。かつての日馬富士を思わせる取り口。先場所の11勝に続く12勝で、夏場所に二桁勝利以上なら大関昇進のチャンス。
2️⃣2回目の優勝を逃した大栄翔
・先日の大相撲トーナメントでも優勝。場所ごとの戦績にムラはあるが、その実力は幕内トップクラスにある。来場所は関脇昇進が確実で、先場所の10勝と併せて大関レースの始まり。
3️⃣豊昇龍は二桁勝利で大関レース再出発。
・身体も大きくなって貫禄も出てきた。初場所でケガしても無理して出場した甲斐があった。
4️⃣弟・若隆景を凌駕する兄・若元春の活躍
・若元春は急成長で左を差して出る万全の形があり、土俵際も勝負強い。11勝で夏場所は関脇に昇進する見込み。反対に大関候補筆頭だった若隆景は休場。夏場所では小結に転落。先ずは全治3ヶ月のケガを先ず治したい。いずれにしても、序盤の連敗癖をどうにかしないと、上には上がれない。
5️⃣翠富士の清々しい健闘
・小さい身体で正攻法の真っ向勝負、中盤までの立役者。肩透かしの名人から一皮剥けた。終盤の連敗は痛かったが、敢闘賞くらいあげたかった。
6️⃣正代の完全復活
・鋭い出足の完全復活、二桁勝利はお見事。負けた相撲も内容は悪くなかった。来場所は三役復帰もありそう。逆に御嶽海はどうしてしまったのだろう?
7️⃣またもや高安の賜杯ならず
・いつかは来ると信じたい。白鵬が「一番強い」と称した実力。千秋楽は豊昇龍を投げ飛ばして二桁勝利。まだまだ世代交代とは言わせない。
8️⃣金峰山の破壊力
・素晴らしい出足の威力で、緩めない速攻。新入幕11勝で敢闘賞受賞。これに比べて、勝ち越したが、北青鵬の棒立ち相撲は感心しない。よくあれで勝ち越せるものだ。
9️⃣平戸海の取り口が好き
・小兵だが怪力。前ミツを取ってグイグイ前に出る動きが魅力的。
🔟琴恵光が一年ぶり勝ち越し
・土俵下で涙。小さな身体で精一杯取っている。諦めない取り口に執念を感じる。身体を見ても鍛え上げている。努力の賜物である。
【十両】
①朝乃山への注目
・NHK録画再生で度重なる1位。みんな『早く幕内に帰って来い』と願っている。十両優勝の逸ノ城と共に、十両にいるべき力士ではない。
②友風の勝ち越しが嬉しい
・大ケガで序二段まで落ちた後、3年かけて関取に復帰。必死の相撲で十両の座を死守。
③豪ノ山が元気でいい
④落合の鮮烈関取デビュー
・先輩関取たちをものともしない二桁勝利。内容も素晴らしかった。千秋楽の朝乃山戦は敗れたが見応えがあった。