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サイボクファームに寄せた幻想

頂き物のサイボクハムのゴールデンポーク味噌漬け。ゴールデンポークはサイボクハムのブランド豚。とても深い味で美味しい。しっかり噛み応えのある肉質で、それでいてジューシーな霜降り脂を併せ持つ。このサイボクハムは、埼玉県が誇る農場「サイボクファーム」の豚肉を使用している。豚を育てている場所なので、雑誌「養豚界」を愛読する身としては、行かないわけにはいかない。行く前から妄想が膨らんで、サイボクファームの入口に豚が100匹ほど待ってくれていて、自分たちが入場しようとすると、豚たちが「ブヒーッ」と鳴きながら鼻をこすりつけて歓待してくれる。しかし現実にはそんなことは全くなくて、フツーに人間が受付して入場。サファリパークのような豚の放し飼い野生区があるのかと思ったがない。あるのは柵に囲われた場所で豚が二匹いて、それも入場客を怖がって小屋に頭を突っ込んで、お尻だけが見えていた。それでも園内のレストランではサイボクハム製のハムやソーセージが楽しめた。またお土産ショップも充実していた。食べる者と食べられる者がいることは自然の理。それでいて食べられる豚たちの魂を慰める畜魂碑もあるのが泣かせる。サイボクファーム、行けば楽しいことは請け合いである。

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