ロシア🇷🇺侵攻に読み解く「ウクライナファンブック」🇺🇦
平野高志「ウクライナファンブック」(合同会社パブリブ)。今や世界の耳目を集めるウクライナ🇺🇦の観光ガイド本。2020年3月に刊行された本で、今回の戦争で再び陽の目を見た。著者はウクライナのリヴィウ国立大学出身にして、ウクライナ日本大使館で専門調査員を歴任の後に、キエフ在住で働く編集者。とりあえず自分でできることは郵便局でユニセフへの募金、尾久キリスト教会で停戦を祈る、そしてこの本で今まで全く知らなかったウクライナを戦争とは違った面で知ること。
https://www.amazon.co.jp/dp/4908468419/
ウクライナはGDPは世界第55位と決して高くないが、世界有数の観光人気。歴史ある美しい国である。「欧州のパンかご」と呼ばれ、ボルシチの発祥地であり、民謡大国であり、PayPalなどのIT立国、世界最高の美女の宝庫と称される。スポーツではサッカーのシェフチェンコ、棒高跳びのブブカ、ボクシングのウシク、女子柔道のビロディドがいるが、実は横綱・大鵬もウクライナ人(父親がウクライナ人、母親が日本人で、後に国籍変更)。人口の80%弱がウクライナ人、20%弱がロシア人。コサック(自由な人、属さない人、冒険者)の末裔とされる。言語はウクライナ語で、ロシア語とは似て非なるもの。宗教はウクライナ正教会がメイン。通貨はフリヴニャで、ルーブルではない。日本から直行便はなく、イスタンブールをはじめとした世界各都市でキエフにトランジットしていた。
紹介されている観光に適した都市にもロシア軍の攻撃にさらされていることが多く、読んでいて痛ましい。以下( )内は現地での呼び方。先ずは1️⃣キエフ(キーウ)。ウクライナの首都にして、東スラブ文化・宗教・文化・歴史の発祥地。多くの芸術劇場版や歴史あるマーケットなど豊かなウクライナ文化の栄える地。2️⃣リビウ(リヴィウ)は西ウクライナの中心地だが、東欧各国の都市であった歴史を持ち、諸民族の風習や各国の建築が取り入れられた街並み。今はウクライナ婦女子のポーランド🇵🇱避難の入口となっている。3️⃣オデッサ(オデーサ)黒海が薫り歴史建築が並び立つ国際都市。ウクライナ交易の窓口であり要塞都市でもある。3️⃣ハリコフ(ハルキウ)はウクライナ北東部の産業と学術の盛んなウクライナ第二の都市。憲法広場を持つこの都市が、ロシア軍から無法攻撃攻を受けている皮肉。4️⃣チェルニヒウ(チェルニヒウ)は北ウクライナで、ルーシ時代(10〜12世紀のキエフ公国)の歴史的建造物が残る古都。歴史ある建造物が多く残った、日本で言えば奈良のような街。5️⃣マリウポリ(マリウポリ)はアゾフ海に面する港町で、夏には海水浴客の姿も見れる。ウクライナ東部でロシアと国境を接して、クリミア紛争以来は各国の交流が活発化している。ロシア軍の侵入路となって大きな被害を受けている。そして6️⃣チェルノブイリ(チェルノービリ)は大事故を起こした原発のある地域。極端に放射線量が高い地域の立ち入り制限区域を除いて、ツアーガイドが非公式に案内もしていた。今回の侵攻でロシア軍が攻撃占拠して世界を震撼させた。