恥味もうろう
末廣圭「恥味もうろう」。電子復刻第84弾。官能ロマン小説なので、今日のお話しは、女性の方々は読まなくて結構。タイトルはダジャレのようだが、内容は結構シリアス。エディップスコンプレックスに、ED機能が絡んだ深い苦悩がテーマだった。主人公の瀬川浩太郎・32歳はバツイチ。「ブティック・野波」女社長である野波慶子の社長秘書を務めている。48歳ながら、165cmの身長で抜群のプロポーション。しかもバツイチ。そんな慶子に社長室に招き入れられて、セブ島で撮った3枚のヌード写真を見せられる。興奮に至って二人は社長室に鍵をかけて、最後の一線を越える。しかし事が終わってから、実はヌード写真が全部で10枚あったと、浩太郎は慶子に聞かされる。残りの7枚は、心斎橋支店長である黒田久男が持っているとのこと。ところが彼は10日前から雲隠れ。浩太郎は慶子に久男とヌード写真の探索を命じられる。大阪出張した浩太郎は、心斎橋店の堀口夕実・21歳に聴き込みを始めるうちに、彼女に奇妙な性癖があることを知る。ホテルのエレベーターや非常階段や廊下で、痴漢的に愛撫されるのを刺激に興奮するのだ。そんな二人の破廉恥な性行為を目にした隣室の塚原千佐子は、自らも同じ体験を望む。結婚7年、32歳の人妻、32歳は、類稀なる名器だった。睦言の中で、千佐子が慶子と昵懇の友人であり、慶子と久男が義理の親子だったことを聞き、浩太郎は仰天する。そして慶子と久男の間に、経営権譲渡に絡むトラブルまであったことを知り、ウンザリした浩太郎は退社の決意を固める。夕実が探し出してきた久男の恋人である榎本雪江・29歳と東京で面談する。聞くところによれば、つきあって半年間、男女としては全くの手つかず。ことの成り行きの原因を掴んだ浩太郎は、雪江をマンションに招き、彼女の満たされなかった気持ちと欲望を満たすために同棲を提案。その初夜は、またしてもベランダでというオチであった。
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