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中学3年の時の担任の先生の墓参り

中学3年の時の担任の先生の墓参り。コロナ前のクラス会にも来てくれていたので、卒業後もおつきあいは続いていた。国語の先生だったので、自分が出版業界に進んだのは、先生の影響が大きい。中学卒業時に伊藤整「日本文壇史」全集を渡されて、貪り読んだことは読書の原体験になった(その頃は何でも片っ端から読んだ)。独身男性の独り暮らしで突然死。先生の暮らしていた自宅を、クラスメイトと二人で訪問した。家の中は本だらけで、それも全集物がゴッソリ。遺族の兄妹に「欲しい本を持って行って」と請われて、アメリカ雑誌「LIFE」バックナンバー集を頂いた。「LIFE」には横浜軍事法廷の最後の判決となった亡父が表紙を飾っていたので。

遺影

 クラスメイトと「クラスのみんなでお墓参りしよう」と先生のお宅からの帰路に話した。しかし妹さんにお墓の場所を訊いてみたら、ずいぶん遠い。本厚木駅から神奈中バスで30分以上もかかる。しかも1時間に2本しかない。タクシーだと4,500円かかる。バス停からは徒歩10分。しかも途中からは砂利道だった。常識的には来るなら車だろう。厚木市は本当に広い。田畑を経て着いた霊園は深山幽谷。鬱蒼とした森🌳に囲まれていた。かなり広いが何の案内図もなく、園内に道標もなくて、小一時間迷ってしまった。寺務所に電話して、ようやく見つけた墓石🪦。日蓮宗なので樒(しきみ)を供える。亡き先生に感謝を伝え、近況を報告し、「先生こんなに遠いと、クラスみんなでは来れそうもないや」と謝る。大切にしていた人が、だんだんいなくなってゆくのは寂しい限り。自分はその分精一杯生きてゆこう。

墓石🪦
墓園
線香と樒
寺門

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