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荒れる春場所、新入幕力士と幕内2場所目力士の優勝争いの椿事
大相撲春場所が千秋楽を終えた。荒れる春場所の真骨頂。優勝🏆は、110年ぶりの新入幕優勝の尊富士🗻。それも付け出しではなく、前相撲から10場所でのスピード優勝記録。しかも13勝とハイレベル優勝。結果的に三賞全て受賞。14日目の負傷で、よもや千秋楽は出場すまいと思ったし、出たとしても勝てるわけがなく、勝てるなら立ち合いの変化かと思ったが、良い意味で全てを裏切ってくれた。正攻法で勝った相撲に涙が出た。尊富士🗻の自分の言葉で喋る優勝インタビューは感動的だった。一方で準優勝は、ザンバラ髪の大の里。こちらも初土俵から僅か6場所、幕内2場所目でも健闘。新生二所ノ関部屋(稀勢の里)から初の優勝力士とはならなかったが、2場所連続の優勝争い。こちらも敢闘賞と技能賞をW 受賞。いずれにせよ、尊富士との並走での若手の主役2人の優勝争いは春の椿事ではあるが、清新かつ爽やかだった。
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結局のところ、横綱・照ノ富士が休場すると場所が荒れる。腰痛の照ノ富士、腰は身体の中心だけに心配。もう一つ荒れた原因は、場所前に絶好調だった霧島の空回りで、まさかの二桁敗戦の大負け越しの乱調。師匠最後の場所に気負い過ぎたか、好事魔多しの典型。貴景勝も頸椎の故障が長引いて慢性化している。豊昇龍は優勝のチャンスもあったが、作戦を琴ノ若に見抜かれて墓穴。下手な策は弄するに値せず。新大関の琴ノ若は、安定した実力を示して、まずまずの及第点。新大関の場所は公私ともに忙しかったことだろうに。関脇陣も大栄翔の負け越し、若元春の戦績も二桁勝利には達せず今一歩だった。小結陣は阿炎は勝ち越したが、錦木は大負け。来場所三役の座は朝乃山と大の里が、ほぼ確実となった。
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宇良の反則負けで負け越しは残念。髷掴んでいたかなあ? その他では豪ノ山の快進撃、高安の復調が目立ったところ。十両では、若隆景の連敗が明らかに変。本人は何も言わないが、きっと何処かケガしている。幕下では阿武松部屋の阿武剋が十両昇進を確実に。全体的にはケガして再出場の力士が多いのが、無理しているようで気になった。それにしても場所中は宮城野部屋の動向が気になって、土俵どころではなかった。そんな逆風の中で、十両復帰の伯桜鵬はよくやった。
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