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モダホラ禁止杯レポート

まえがき

主催によるオープニングから抜粋

※2023/02/05追記
これはあくまでモダホラありの現代モダンを楽しんでいる人たちが、味変的に特殊ルールを遊んだ感想をまとめた記事であって、モダホラありのモダンを貶める意図はありませんので、他人の記事をダシにしてモダホラをネガるようなエアプ勢は自分で記事を書いてください。

以前、禁止解除モダン杯を遊んだのと同じように、身内同士でモダンホライゾン収録カードを禁止したモダンを遊ぶことになった。
モダンのメタゲームを見るとわかるが、現在のモダン環境ではモダンホライゾンとモダンホライゾン2のカードが跋扈しており、モダンホライゾンにあらずんばモダンにあらずと言われかねないほどである。(私見)実際、モダホラのカードを全く使っていない環境デッキは緑トロンくらいではなかろうか。そういうわけで、モダンホライゾンが発売されていなかった世界線では、猿やドライアド、サイ、アルコンが飛び交うような殺伐としたモダンから一転、古き良き平成の牧歌的なモダンが遊べるのでは、というのが企画趣旨である。
ルールは単純、「モダンホライゾンおよびモダンホライゾン2に収録されたことによって、モダンで使用可能になったすべてのカードを禁止」である。ややまどろっこしい言い方をしているのは、対抗色フェッチがモダホラ2に収録されているため、それらは使えるようにという措置だ。

使用デッキ: トリコ石鍛冶

デッキリスト

いかにも平成のデッキと思いきや、年齢詐称者も何名か

土地 23
沸騰する小湖 4
溢れかえる岸辺 4
蒸気孔 2
神聖なる泉 3
ラヴグリンのトライオーム 1
天界の列柱 2
尖塔断の運河 2
島 3
平地 2

クリーチャー 9
石鍛冶の神秘家 4
瞬唱の魔道士 3
聖トラフトの霊 2

呪文 28
考慮 4
呪文嵌め 2
稲妻 4
流刑への道 3
冥土灯りの行進 2
マナ漏出 3
表現の反復 4
時を解す者、テフェリー 2
精神を刻む者、ジェイス 1
スカイクレイブの大鎚 1
殴打頭蓋 1
エンバレスの宝剣 1

サイド 15
外科的摘出 2
仕組まれた爆薬 1
安らかなる眠り 1
封じ込める僧侶 1
払拭 1
ドビンの拒否権 1
軽蔑的な一撃 1
摩耗/損耗 2
血染めの月 2
至高の評決 1
黎明をもたらす者ライラ 1

石鍛冶→殴打頭蓋のルートを除去やカウンターでバックアップするミッドレンジデッキだ。2マナを中心とした軽めの構成ながら、石鍛冶、瞬唱、反復や3テフェ、神ジェイスと、アドバンテージ獲得手段が豊富で、かつ装備品を絡めた攻めっ気も強い骨太なデッキだ。
大きな特徴として、《エンバレスの宝剣》がある。これも石鍛冶で踏み倒しつつ、戦場に出たときの誘発で装備することができ、殴打頭蓋が装備されている細菌トークンにつくといきなり10点分の絆魂ダメージでライフレースを崩壊させる。石鍛冶の2枚目や宝剣の素引きで、最速4T目に5/5警戒絆魂二段攻撃トランプルが誕生するので、フェアデッキとは思えない壊し性能がある。そうでなくとも、トークンの出てくるトラフトと相性が良かったり、土地が並べば案外出せて、使い終わった石鍛冶や瞬唱がフィニッシャーに化けるのは相手からしたら相当ウザい。装備品の強みを活かしたデッキと言えるだろう。
モダホラ2発売前に組んでいたデッキで、それをアップデートした形となる。流刑、マナ漏出、瞬唱、トラフトあたりは現代モダンですっかり見なくなったカードだろうか。石鍛冶もハンマータイムでしか見かけないから、総じて一昔前のモダンという趣があって、モダンおじさんとしては懐かしい限りだ。マナ漏出、対抗呪文とそう変わらないだろうと思っていたが、終盤の安心感が全然違うので、やっぱり確定打ち消しは偉いんだな……となった。

戦績: 6-0

うろ覚えなところも多いので間違いがあっても許せ。

親和: ×○○

3マナで3-4ドローするカード

青単ベースの親和デッキ。バネ葉や親和クリーチャーで横並びに展開しながら、頭蓋囲いであらゆるクリーチャーをフィニッシャーにしてライフを詰めてくる。失ったハンドを物読みや錨の鍛錬で回復し、粘り強く攻めることが可能となっている。
実際の対戦では、頭蓋囲いを巡るゲームになった。こちらはほぼ単体除去しか入っていないので横並びがキツかったが、頭蓋囲いを打ち消したり割ったり装備先を除去して時間を稼ぎ、殴打頭蓋+エンバレスの宝剣でライフレースをひっくり返して勝つことができた。

独創力タイタン: ×○○

実はセーフなカード

頑強によるリアニルートや残虐な執政官こそないものの、踏み倒しに必要な主要パーツは丸々残っている独創力デッキ。土地から出るドワーフや寓話のゴブリンを種に原始のタイタンを踏み倒し、ヴァラクートによる噴火を狙う。探検に加えて成長のらせんまで入っていて、早期に独創力を狙えるのが特徴だ。ただ、レン六の不在がどうしても安定性に影響を与えていそうだった。
一戦目は噴火が間に合って負けてしまったが、二戦目は血染めの月を通してトラフトが殴りきり、三戦目は月ケアで森を置かせたことでドワーフの鉱山が遅れ、その間にエンバレスの宝剣によるダメージレースで勝つことができた。レン六がいないと月ハメが通りやすいなあと感じる。どうしても母聖樹という天敵はいるのだが。

変身エムラ: ○○

シンボル的に独創力より使いやすかったりもする

独創力も入った踏み倒しデッキだが、こちらはエムラクールがフィニッシャーだ。ベースの青赤に白が入っており、3テフェなどのコンボサポートが厚い構成となっている。タイタン型に比べ、コントロール色が強い。
一戦目は、石鍛冶の除去より土地引きを優先して動いてきた隙にエンバレス殴打頭蓋を放り込んで2パンで勝ち。二戦目はカウンターや除去を構えてクロパ的に動きつつ、瞬唱で殴り切って勝ち。

エルフ: ×○○

1T目に出されて全てを察するカード

一体出てきたと思ったらすごい勢いで横並びして全体パンプでぶっ飛ばしてくる嵐のようなデッキ。単体では弱いカードも多いのだが、カンパニーや領界渡りでアドバンテージを取ったり、コードで適切なロードを探してきたりと、器用な動きも多い。レン六に村を焼かれて現代モダンでは息苦しいところではあるが、逆に言えば除去さえ飛んでこなければ一気にゲームを持っていく爆発力があるデッキだ。
一戦目は除去が間に合わず負け、二戦目も2T目に大量展開されて負けを覚悟したが、殴打頭蓋で見合いつつ、ラストターンというところで至高の評決をトップして流して勝ち。三戦目は適切に除去しつつ殴打頭蓋でライフレースを仕掛けるも、大ドルイドに対応した隙をついて殴打頭蓋を割られてしまい気の抜けない展開になったが、なんとかライフレースを制して勝利。

ウーズコンボ: ×○○

悪いことしますとしか書いてないカード

壊死のウーズによる無限を主軸にした墓地コンボデッキ。つまみ食い貯め+献身のドルイドの無限マナから歩行バリスタで無限ダメージというコンボを中心に、破滅を囁くもの、ケンリス王など強力な起動型能力を持つクリーチャーで脇を固めたオリジナルデッキだ。グリストがいないのでややフェア的なパワーは下がっているものの、コンボを警戒していたら突然ドルイドから出たマナでファッティが出てきてそのまま死んだりする。
一戦目はつまみ食い貯めへ雑に打ち消しを切ってしまったせいでウーズコンボへ走られて負け、二戦目は月を着地させて勝ち、三戦目はウーズを打ち消しながらエンバレスの宝剣によるライフレースで勝ち。

ケシスミッドレンジ: ×○○

パイオニアで禁止されてそうな顔してる

ケシス、サルーフ、エルドレインガラク、トルシミールなどカロリーの高いカードが満載のアブザンミッドレンジ。致命的な一押しや突然の衰微、思考囲いなど、定番の除去も多く採用されていて、ボードコントロール色の強い相手だった。
一戦目は弱めのリアクションハンドでキープしたところお互いドローゴーが続き、稲妻で除去できないクリーチャーに押し切られて負け。土地を引きすぎたのもあるがキープが悪かった。
二戦目は月キープしてスタートするも、なんとなく衰微持ってそうな雰囲気だったので石鍛冶、石鍛冶、3テフェと連打したところ3テフェへ衰微を使ってくれたので月を置いて勝ち。三戦目は石鍛冶を除去で対応され、相手側にケシスなどが定着してしまったものの、サイドから投入したライラに相手の対処札がなく、そのままエンバレスの宝剣を装備しライフレースを破壊して勝利。やはり絆魂二段攻撃トランプルなんだよな。

感想

盤面をすべて入れ替える、《歪んだ世界》の待機版

やはりモダンホライゾンはモダンを根本から変えてしまっていたのだ……
最近のモダンと比べると、マナカーブがまるまる1くらい違うように感じた。現代モダンは1マナが中心のゲームだが、モダホラを抜くと2マナを中心としたゲームになる。レン六がいないのもあってマナクリが生き生きしており、3マナの動きもそれなりに肯定される。石鍛冶やトラフトが活躍しているのがその証拠と言えるだろう。モダンおじさんの慣れ親しんだ牧歌的なゲームで懐かしい気持ちになった。え? モダホラ前に石鍛冶はいなかったって? ナンノコトカナー
また、デッキの安定感がかなり違った。特にキープ率が現代モダンに比べてだいぶ低い。最近は三色デッキでも色事故することなんてほぼなかったが、そこそこの確率でカラースクリューが起こったり、また土地1枚とか土地5枚のような初手も結構見て、ダブルマリガンを余儀なくされる場面がままあった。とはいえ、この辺の感想は普段キャントリ10枚入りのURを回しているからかもしれないが……。ただ、レン六の不在による安定感の欠如は間違いなくあるだろうと思う。
戦績としては全勝だったが、正直デッキパワーもさることながら、練度の差が大きかったようには思う。参加者の中にはホライゾン前のモダン環境を知らない人も多かった一方で、わたしは以前使っていたデッキをアップデートして持ち込んでいたからだ。石鍛冶から出てくるエンバレスの宝剣を想定していない相手にわからん殺ししてしまった回もままあったから、もう一度戦ったらわからないし、環境のソリューションとまでは言えないだろう。研究が進めばより良いデッキが出てくる可能性は高く、まだまだ遊び甲斐がありそうだと感じた。
わたしはモダホラが出る前はトリコ(ジェスカイ)カラーが大好き人間だったのだが、モダホラが出てからすっかりティムールに鞍替えしてしまっていたので、久しぶりに流刑への道とか石鍛冶をプレイできてたいへん楽しかった。何よりエンバレスの宝剣が気持ち良すぎた。なんとかして今のモダンでも使ってみたい気はするが、もはやハンマータイム以外の真っ当な石鍛冶が通用するような環境ではないんだよな……。そういうわけで、ちょっと昔のモダンがちょうど良かったというモダンおじさんたちは、ぜひ一度遊んでみて欲しい。

おまけ

主人公タルモくん、まさかの採用枚数0枚

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