Wifiとバチェラーと、IPv6と。
先日旅館にwifiを導入した。
字面的にはどうってことない情報だけど、その裏にはいろいろと葛藤があった。
今年8月に旅館をオープンさせてからというもの、お客様から必ず聞かれていたのがWi-Fiの有無。
「Wi-Fi、ある?」
「すみません、、ないんですよ、、」
平謝りすると同時に、
「WiFiさえあれば、、Wifiさえあれば、、、、、」
と念仏のように唱える日々。
Wifiを導入したい…!
でも……
wifi導入費用、高い…!!
風を吹けば消し飛ぶ弱小旅館にして、なかなか手を出すことができない代物だった。
……月日は過ぎて11月25日。
色々と準備が整い光回線工事をして、ようやっと宿に電波を流すことができた。
満を持して導入した代物。
「じゃらんにwifiのこと書いたし、宿のインスタグラムなんて贅沢に9枚のグリッドにして投稿した。」
「これでお客さんにWi-Fiのことを聞かれたら、ドヤ顔で答えられる!」
「きっとじゃんじゃん予約が入るはず!」
「コロナにも勝てる!!」
ドラクエを全クリした直後みたいな、根拠のない謎の達成感、高揚感。
でも、その高揚感も、一瞬にして崩れ去った。
……そう、今は猫も杓子もWi-Fi。ちょっと辺鄙なところにある温泉旅館でも、最近はWifiが入っていて当たり前。
全く差別化にならない……。
陸上に例えると、スピードスタートを切れたわけでなく、ただスタートラインに立っただけだった。(気づくの遅すぎ)
待てど待てどお客様は来ない…
そして、あれよあれよとオミクロン株なる新しい変異株が発見され、
日本は鎖国状態&お宿はお通夜状態\(^o^)/
蓋を開けてみればコロナにコールド負けだった….
…ダメ押しは、このWifi、宝の持ち腐れ感はんぱなく高速。
悲しいくらい高速。
なにやらルーターが”IPv6”という聞き慣れない規格に対応してるらしい。
一、十、百、千、万、億、兆、京、垓、𥝱、穣、溝
そして、澗。
「でももし、もし旅館が満員になったときに備えて……」
「大は小を兼ねるっていうし……」
“大”が予想以上にデカすぎた。
その心配性を、反対のことに使えと過去の自分を説教したい。
でも、そんなことはあとの祭り。
宿の定員13人で使ってもびくともしないWifiを、1階、2階にルーターを1つずつ設置して、贅沢にほとんど一人で使っている。
動画を見ても、アプリをダウンロードしても、音楽をいくら聞いても、びくともしない。
イナバの物置に1人でのっかってるような、安心なような、虚しいような感覚が時折私を襲う。
「…うっ…でもこのまま負けて終われない!」
そう。WIfiの導入は、過去のお客様の要望があったからこそ。
そちらに気を取られ、大事なことを忘れていました。
自分も宿にいるじゃん、それも一番長い時間。
誰も使っていない部屋を掃除する虚しい時間を過ごすくらいなら、いっそWifiを堪能しようではないか!(なんで)
うん、きっとそれがいい。たぶん。
その強い気持ちをもって開いたのは、amazon prime。
そして、一番はじめに目に飛び込んできたのは、一人の男性とそれを囲うたくさんの女性の写真が映るサムネイル。
バチェラー4だった。
バチェラーとは
どうでもいい情報だが、自分は普段リアリティ番組をあんまり見ない。
なんというか、自分なんかがリアリティーショーを見るという事実
がむず痒いというか、ごめんなさいという感じになってしまって……
ちょっと前まで見てたのに、気づいたらあたしンちをBGMに心を落ち着かせる、ということもあった。(あたしンちは心の癒やし)
でも、今回ばかりは見ないと…!
なぜなら、
バチェラー4の公開日時と、宿に電波が入った日が、同日(11/25)だったから!
何という奇遇。これはもはや運命。
……ということで、見ました。
シーズン4の1話と2話。
見始めてすぐ、
「やっぱあたしンちに変えよう」
という衝動をぐっとこらえ、見た。
バチェラーはあくまでリアリティー”ショー”。
思うに、バチェラーに対してごめんなさい、という感情を抱いたのは、多分感情移入させる要素がたくさん盛り込まれていて、そこにいい意味で引っかかったからからだと思う。
なので途中から一観客としてでなく、あくまで旅館の一運営者として、自分の過去の言動を振り返ってみたら、気づくことがたくさんあった。Wifi環境を堪能とか、どうでも良くなるほどに。
🙇以下、若干ネタバレを含みます🙇
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真似できん…
博多から来られた方にいきなり
「今は牡蠣の季節ばい」
とか絶対言わない(言えない)。
…….落ち着け、これは、リアリティーショーだ。
真似できんけど、取り入れられることはないか考えてみる。
これはとどのつまり、旅館に来られるお客さんごとに、話し方や話す量を変えるということではないか。
それならば、一応自分なりにはやっている。
会話は最小限を希望されてそうな方には必要最低限しか言葉をかわさず、その反対の方には反対の対応をする。
バチェラーの”いきなり関西弁”の本質は、ここにあるのじゃなかろうか。
そして、自分にコミュニケーション方法に他にもレパートリーがあることを教えてくれてるんじゃなかろうか。(たぶん)
番組の脚本上仕方がないが、明らかに男女比がおかしい。
15人もの女性が、1人の男性を狙ってる。
聖徳太子もびっくり、15人の話を一度に聞かなければならない。
そりゃ無理だろ、と思いながらみてたら、やっぱりみんな十分に話せず、
あの手この手でバチェラーを振り向かせるべくいろんなことをしていた。
話せないイライラは運営側の責任、なのだがそう駄々をこねても仕方ない。
黄皓さんどうやって対応するんだろう、と見てたら、台本があることを疑うほどしなやかに、スムーズにそれぞれ時間をとって最大限話されていた。
……翻って自分。
宿が満員になれば良いな、と淡い願望を抱きつつも、なったらなったで忙殺されて死ぬ。
先日、2名✗3組の6名がほぼ同じ時刻に到着されたときでさえ、心ここにあらずだった。
チェックイン対応しながら、風呂沸かしながら布団敷きながらお客様の質問に答えながら…。マルチタスクで物事を考えられる人ってほんと尊敬する。
自分が黄皓さんみたいな容姿だったら笑って謝っても許されるかもしれないけど、残念なことに自分は黄皓さんじゃない。
じゃあどうしよう。
資金的に人を雇えないのなら、後は仕組み化するしかない。
黄皓さんの笑顔から、そんなことを決心するのであった。
…話はちょっとそれるのだけど、付け加えて話したいことがある。
それは、黄皓さんはじめ、出演者の女性も、基本謝らない。謝ったとしても、それさえ爽やか。
謝罪の仕方に関して、自分には顧みなければならないことがある。
謝りすぎてしまうのだ。
例えば、旅館の駐車場は狭く、車を1台停めるのがやっと。
仕方がないので、日毎に予約が一番早かった人が駐車場を使え、2組目以降は近くの駐車場に案内するオペレーションにしている。
それでも申し訳ないので、割引の回数券をこちらで用意して、普通に停めるよりも安い価格で駐車していただけるように工夫はしている。
そういう工夫をした上で、回数券のことをお客様に説明したときの話し方が以下。
『すみません』、を確認できるだけで5回も使っている。
上記長文を話した後のお客様から言われたのが
「で、その割引券のお金は、旅館で払うの?それとも駐車場出る時?」
と聞かれてしまった。(また謝った。)
こんだけ長文を話してるのに、いちばん大事なこと伝えていなかった。
この話し方は、
・お客様に気を使っているようで気を使わせてる
・相手に漬けこまれてしまう可能性がある( ;∀;)
など、様々な弊害がある。
頭ではわかってるのに、やめられない。この話し方。
もちろんこちらが悪いときはきちんと謝らなければいけない。
でも別に一方的に悪くないときは、過度に誤るのも考えもの。
そんなことを、出演者から教えられたような気がした…。
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と、ここまでどうでも良いことをつらつら書いてきたけども……
最後に思うことは、
amazon prime最高!!
IPv6とか澗とかイナバ物置とか…
うまく行かないときは、枝葉の部分に気がいってしまいがちだけど……
そんなちまちましたことは考えずに、開き直って、これからもWi-Fi環境をエンジョイしたいと思う。(違う)
最後に
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