古民家で暖房病になる
冬でも室内気温南国な道民の私は、古民家の冬の寒さに怯えていた。
おとなりさんがドラえもんのように冬服、毛布、灯油ストーブ、ファンヒーター、電気ストーブ、湯たんぽなどを魔法のように出してくれても、やはり寒いだろうとビビっていた。
まず土間はほぼ外。いつもご飯食べてる茶の間は土間のすぐ隣。障子は一部破れているし、保温アルミシートでとりあえず防寒。
ほかにも隙間テープなどあちこち貼る。なにせ家が傾いていて冷蔵庫がいつも土間の方にすべっていくぐらいなので、戸もぴったりしてなくて隙間が多い。とにかく隙間をふさぎまくる。
この保温シートの向こうは土間で隙間からもう外なのでふさいだ。障子の隙間もアルミシートたたんでせっせと詰めてふさいだ。
この向こうは窓だけどやはり外の隙間まるみえなので、カーテン二枚でふさいだ。最初は突っ張り棒で支えようと思ったらカーテン重すぎて落ちた。なので釘を打ってひっかけた。
カーテンの向こうでは夏には非常にお世話になった扇風機さんたちが「俺らもう用済みだってよ」なんて具合にぼやきあっている。
これだけふさいで灯油ストーブをつけるとやはり温かい。エアコンさんには夏以上にお世話になっている。
ところが、温かいはずの室内で私はどんどん動きが鈍くなっていった。寒さのせいだと思っていた。朝もなかなか起きれないし、昼も動けない。やる気がしない。しまいには夜、灯油ストーブの前で、夜中まで動けなくなってしまった。
これはもう気絶では?ってぐらい寝るし、まだ早いけど更年期障害や鬱病まで疑った。腰痛も再び悪化してるし、ストレスか?とも思い。ネットで「やる気がない、原因」を調べたりもした。
そしてこれか!?と思ったのが・・・
暖房病
ようするに部屋の温度が高い。暖気は上にいくので頭は熱いが足元は冷たい。そうなると頭がぼんやりするそうで、隙間ふさぎまくって換気もしなかったので酸素不足にもなってたようで……。
そもそもエアコンの設定温度が高すぎた。
いや、エアコンは電気代かかると思ってつけたり消したりでほとんど灯油ストーブに頼っていた。
でも実際調べてみると、エアコンが一番電気代が安いし、30分以内につけたり消したりはさらに電力がかかるとのこと。
自分が暖房病じゃないかと思ったのは、灯油ストーブつけると気絶したように寝るってことと、朝の寒いうちが実は一番動けるという事実。
私は毎朝湯船につかっているけれど、その時脱衣所でファンヒーターを使っていた。でもこれ実は電気代一番かかるらしい。そう思って使わなくなったら、湯上りで体はぽかぽかしてるし、足元さえ暖めれば平気だった。
暖房病は頭寒足熱の逆だからよくないというなら、頭寒足熱を心がければいいのだろうと思いたち、まずは靴下をとにかく重ねた。
そして今、私は最終兵器を手に入れた。身近なところにあったドラえもんの道具の一つ
「湯たんぽ!!!!!」
これを昼は座布団の下に置いてとにかくケツを温める。私はおしりがとにかく冷えてる。筋肉量が落ちてるのかもしれない。腰痛もそれ関係あるだろうと思う。そしてケツを温めると体全体がぽかぽかしてきた。
もう暖房は夜でもほとんどつけてない。
頭がすっきりしてきたので、外に散歩に出た。
昨日は引き潮だったので、海の中をずんずん歩いた。
帰ると汗だく。当然暖房はつけない。
そしてふと気づいたことがある。
私はこれまで部屋の中で寒い寒いと言っていたけれど、一番寒いはずのほぼ外な土間で寒がったことがあまりない。
私は本当に寒さに弱いのか?
そもそも私は道民。外の寒さには慣れてるし、北海道の冬の寒さに比べたら土間なんて寒くもなんともない。
部屋の中の寒さに慣れないってのも思い込みでは?
そもそも寒いか?
北海道みたく、朝寒さで顔が痛くなるなんてことはないし、指がかじかんで動かないなんてこともないし、帰宅後の部屋で凍死するんじゃないかと思うこともない。
そして自分にとって室内南国気温は適温なのか?
今までずっとそうだったから冬は南国気温にしてたけど、そもそも少し肌寒いぐらいのほうが自分の動きが機敏だったりする。
昔の歌に「朝一番のホームの冷えた静けさが好きさ」ってのがあったけど、つんとするぐらいの清冽な空気は確かに心地よい。
今まで自分はこうだと思い込んでいたことがどれだけ正しくあてはまるのか。仮にそれまではそうだとしても、今もそうとは限らない。
やはり決めつけはよくない。「自分ってこういう人なの~」みたいな思い込み強化は無益。だから暖房病になるんだよっ!!!!
とにかく今は湯たんぽ様様。前に東京でヤドカリ生活していた時の家の人のエコ生活を参考に、一日に何度もとりかえる湯たんぽのお湯も無駄にしない。その家ではたしか毎朝ゆたんぽのお湯で顔を洗うと聞いたことがある。私の場合、湯たんぽのお湯はせっせと湯船に入れている。水道代節約のために湯量少なめで追焚き何度かしてるので湯量増し。
なにせ人様のお世話になってるヤドカリ生活。光熱費を無駄にするわけにいかない。
光熱費無駄になってるときって大体自分の生活態度自体に無駄があるんだと思うからまずはそこ見直し。
冷たいのは足! そしてケツ! 上は着込めばなんとでもなる。そして運動。歩く。夕方散歩して帰ってくると、しばらく暑いので、夜でも灯油ストーブほとんどつけない。
そして何より晴れてれば、寒い時には家の外に出る!
何しろ古民家は寒い!
ちょっと前まではこのように唯一日当たりのいい部屋でごはん食べたりしてたけど、天気悪いと寒いので灯油ストーブに頼ってしまっていた。
いかーん!
最近は灯油代もばかにならんし、電気代だってかかる。
とにかく下半身を鍛えつつ、低温やけどにならないように湯たんぽ様に坐り続けよう。
何より意識の書き換え大事。
「私は寒さに強い! むしろ寒い方が動けるぐらいだ」と。
実際、思い当たることがある。
中国でも私の部屋は真夏かよと隣人も寄り付かないぐらいだったし、元夫も家に帰らなくなり、そのまま離婚したけれど、ハスキーの子犬と一時一緒に暮らしたときは、子犬のために室内気温を大幅に下げた(20度に)しわりと大丈夫だったという事実。
ヤドカリ生活でもそれができる。人様のお世話になってて無駄なことはできん!と思うからだ。
でも元夫にはそれができなかったし、離婚して別居したら真っ先にこたつを撤去された。こたつに入るとほんと何もできなくなったし、相当腹立ったんだろう。ほんとこたつは廃人になる。
夫婦で食の好みや笑いのポイントがちがうとうまくいかないってのは聞いたことあるけれど、快適と思う室内温度の違いも離婚の原因になり得るかも。だって家で快適に過ごせないんだから、そりゃ家に居つかなくなるだろうし、そういう点からも歩み寄りが必要なんだろう。
何にしても、犬やヤドカリ主さまのためならいくらでも自分を省みて改めることができるのに、夫にはできないってのは、それだけ愛もなかったということか。お互いに。
まあ今は人の温もりよりも湯たんぽの温もり。
毎朝毎晩湯船につかれる感謝のヤドカリ生活なり。