小笠原クルージング 帰路
ここから読まれて居る方もいるかも知れないので簡単に説明入れておきます。私たち4名で静岡県沼津市よりヨットで小笠原諸島 父島まで行きました。帰りはサラリーマンクルーのMさんが小笠原丸にて帰るため。3名で八丈島経由で伊豆下田により帰るというルート計画で朝6時50分父島二見港を出港しました。
私たちは行きも帰りも、有料の気象アプリを利用して航海計画を立てて居ました。それをリアルタイムで計算させて、何時に出たらどこに行ける。何時に到着予定であるか?最大風速予想は何時ぐらいに遭遇するか?これから風は強くなるのか?弱くなるのか?そのルートで進むのがリスクが少ないか?色々な情報を吟味して出港しています。
またレイマリンというメーカーの航海計器を積んでいますが最新型でナビゲーション能力がとても使いやすかったです。
次のwaypointまでの到着予定時刻がリアルタイムで計算して表示されます。あと何時間で島が見えてくるか?明るい時間に見えないなら少し速度を落として行けば見れるとか調整できる訳です。とても役にたちました。
出港して問題なく八丈島に向けて進んでいましたが、夜になりトラブルが発生しました。また、バッテリートラブルです。充電器のランプを見るとオルタネーターから充電されて居ないことが判明。エンジンは回っている。冷却水は出ている。異音も出ていない。オルタネーターの故障か?
ハウスバッテリー容量が残30%になってしまった。しかしエンジン始動用バッテリーまでロストしてしまうと大変なことになる。
そんなことをして居る間に早朝4時警告音が鳴りエンジンが止まった。
バッテリー異常と水温異常の警告ランプ。
暗いこともありエンジンを冷やすために完全帆走で進みます。
少し冷えたところでエンジンを再起動するが10分も経たずに警告音と共にエンジン停止してしまいました。
ここで、またもや危機発生。八丈島を諦め。帆走での帰港を検討しました。
明るくなりエンジンルームを再点検すると、なんとダイナモを固定しているM8のボルトが折れて居ました。そのため、ダイナモが回らず。冷却水ポンプも回転不足だったことが判明。船内にはこういうことも想定してネジ箱が積んであります。M3からM10までの色々な長さのネジ、ナット、ワッシャーも積んでます。すぐに交換して傷んでしまったベルトも交換しました。ここまで12時間以上掛かってしまいました。エンジンは復活して充電も復活して安心かと思っていると翌日から風が強くなってきました。セールはワンポイントリーフです。ジブセールは50%ぐらいそれでも後ろからの良い風でクオーターリーで船速9から10ノットで何時間も走っています。エンジンは念の為1000回転位でオートパーロット動かすための充電モード。
次のトラブルが発生しました。油圧異常でエンジン停止。
かなりヒールして走って居たこともありますが父島でもエンジンオイルを1.5L補給して居ましたがヒール量が多いため1.6L追加してゲージレベル復活しました。
エンジン掛かるが2000回転位上がったところでまた停止してしまいました。
またもや危機です。
おまけに燃料計の数値がおかしいことが判明。そこでシートを外して燃料タンクについているアクリルにパイプゲージも確認しました。私の船は燃料タンクが2個あり左右で200+200Lとなっています。海が荒れて居るため右から左。左から右と燃料が行ったり来たりしてしまって居ること。またアクリルゲージの下の方に黒い水分(ヘドロ?なのか汚れて水?)が2CM 位見えました。エアー噛みでエンジン停止と判断して何度もエアー抜きしました。夜中ずっとエアー抜きしてエンジン掛けて止まりを繰り返し完全に抜けたところでエンジンは安定して来ました。
そこで須美寿島を経由して八丈島に行くことにして進路を少し修正しました。
翌日14時30分 須美寿島沖を通過出来ました。
とても綺麗なブルーの海です。お天気も最高で夜は天の川が見えました。
深夜2時になると青ヶ島の明かりが見えて来ました。5時過ぎに青ヶ島沖を通過しました。エンジン、バッテリー共に正常。八丈島を目指します。父島を出て2回の途中離脱の危機をなんとか回避して来ました。まず燃料が減ってくるとトラブルが起きやすい事が判明。そこで八丈島で100L追加で入れることにしました。また、帰ってから燃料タンクにバルブをつけて左右独立して使えるように変更する。また、燃料フィルターをもう少し良いものに交換する事にしました。
ヨット航海は辛いことばかりではありません。とても綺麗な景色や星空も見えます。やっと八丈島にやってきて来ました。ジブセールをしまったところです。漁協に電話して八重根港に入るつもりでした。しかし、まずコインランドリーが使いたかったので聞いたところ1箇所あるが八重根港からでは遠いので神湊港に着けてくださいと言われました。意外と距離があり40分ほど島の裏まで進んでやっと八丈島に到着しました。
八丈島に到着です。スタンドに電話して給油もしました。もちろん自転車を出して近所を散策して見ましたが田舎すぎて何にも無い。
結局、タクシーを呼んでコインランドリーに行きました。毛布から服や下着等10日分ぐらいあったので大量です。
とても繁盛して居ました。皆さん車で来てあと残り何分で終わりそうか?見にきて終わるタイミングでどんどんやって来ました。私たちも順番待ちしながら暇なので歩いて周りを散策してなんとかビールをゲットしてコインランドリーの待ち時間3時間近くを飲んで食べて過ごしました。ところがコインランドリーで隣にいたおばちゃんがまだ乾燥終わるまで時間かかるからと港まで車で送っていただきました。
港に戻ってからは、港の中にあった真水のシャワーがあったのでみんなで浴びてさっぱりしました。
そんなところ、携帯電話が鳴りました。あのヨット雑誌『舵』から電話来ました。取材したいとの申し出でしたが、天候悪化が予想され帰りに三宅島や下田に寄ってのんびりしているとあと1週間は帰れなくなってしまうことが計算してアプリから表示されました。従って明日の朝イチに来られれば少し会えるかも?または今から向かってくれれば会えますよ!って答えると。少し待ってください。また電話すると言って電話が切れました。
私が夕飯の支度をして居るとSさんが港の近くの釣り道具やさんに行ったきり1時間帰ってきません。今まで何度もチャレンジして来ましたが1匹も釣れないんでとても悔しいらしい。父島でも釣り道具やさんで仕掛けを買って須美寿島付近でも釣れませんでした。良く見ると釣り道具屋さんに行ったけど財布忘れてので取りに戻ってきて次は隣の漁師さんのところで止まってしまってます。その後戻ってきて聞いてみると仕掛けを頂いて来たそうだ。散々釣り道具屋さんで1時間話してお金とって来ると戻ったのに、漁師さんに仕掛けを頂いて戻って来てしまった(笑)
漁師さんにお金渡そうとしたけど、そんなもん受け取れないと断られたそうです。
夕方、羽田空港から舵社のNさんがやって来ました。すごくフットワーク軽いです。
八丈島焼酎飲みながら、夜は料理とお酒で盛り上がりヨットに泊まっていただきました。翌日お見送りされながら静岡を目指します。
アプリで計算させると、最初は25ノットぐらい吹いて居るけど治ってくる予測だっったので安心して進みました。うねりは3Mぐらいあり海況的には悪い状況。
そんな中、八丈島でてセールアップ完了するとSさんは仕掛けを投入しました。30分も立たないうちに釣れてしまいましたよ。本カツオ
すぐに3枚におろして冷蔵庫にしまいました。帰りは順調でしたが石廊崎沖の本線航路を横切るときは深夜0時ぐらいで往来の多い時間でしたのでちょっと神経使いました。帰りは全てのトラブルも克服して安心に帰って来られました。
帰りは3人でしたが、3時間ワッチして6時間休憩としました。やはり6時間休憩があると一杯飲んでゆっくり眠れて休めます。慣れてきて信頼できるクルーならば一人ワッチでも十分だと思いました。
後日、KAZI 8月号に掲載されています。八丈島のページに出ています。
帰路はメインシートトラベラーがワイルドジャイブして破損しました。これも帰ってから治しました。
シャックルをソフトシャックルに変更しました。燃料フィルターも交換しました。
大きなトラブルも無く。怪我も病気もなく楽しい小笠原クルージングでした。少しぐらいのトラブルは付き物でそれは良い思い出として残るでしょう!
父島に行こうとすると小笠原丸で行き現地ホテルに泊まり20万から30万は掛かるそうです。ヨットで行くと時間は掛かりますが一人10万も掛からずに行けます。来年は瀬戸内海にクルージング行く計画と思って居ました。ところが知り合いが今年行くと言うので来年の参考になると思いそちらにもクルーとして参加することに成りました。8月26日出港予定で1カ月強行ってきます。