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【エッセイ】寝室

 寝室のカーテンを取り替えた。下げ続けていたダークグリーンの落ち着いた表情も素敵だったけれども、淡い黄色は、気分を明るくしてくれる。目立つ傷や汚れはなかったのだがマンネリ気味で、つまり、私の気持ちの問題。ただの自己満、気分転換で片付けられる。長さや幅はもちろんだが、選ぶときに注意したのが、通常の窓に加えて、出窓にも対応したサイズが揃っているかどうか。遮光性も重視してた。生憎、西日の当たる部屋なので、夏場は換気を怠るか、定期的にクーラーを点けておかないと直ぐに蒸し風呂と化してしまい、残った熱気が夜の深い眠りを妨げるので、快適に過ごすための必須の条件だった。一日の中で、最も長くいるところかつリラックスすべき空間に対しては神経質になってこだわりたかった。取り付けには苦労した。身長が低いので、椅子に立ちさらに背伸びした状態でようやくカーテンレールに手が届くぐらい。爪先を震わせつつフックを引っ掛ける。