【エッセイ】頼むぜほんと
朝、換気をしようと窓を開けると、一匹のハチが勢いよく飛び込んできたので焦った。瞬時に逃げ、物置きから蜂駆除スプレーを取り出して部屋に戻り、心を無にして噴射した。半袖短パンの完全に無防備な状態だったので刺されないだけましだった。
しかしこれで終わりではなかった。念のため、庭からぐるりと回りながら寝室を眺めていくと、丁度、出窓の真上。壁に不自然な影があって、震えた。アシナガバチの大群が壁に固まり、シャワーヘッド状の土塊を練り上げていた。半ばパニックになりつつ、素人なりにインターネット上で対策を探した。すると、特徴的なマーブル模様でつくりは提灯と同じ、スズメバチの巣のダミーを見つけた。確かな情報かはさておき、設置すると、近くに先客がいる、と勘違いを起こして巣作りを避けるらしく、藁にもすがる思いで注文した。下手に刺激を与えずに自然と去ってくれるなら良いんだけれどもどうだろう。ベランダに吊るして効果を発揮するかどうか、頼むぜほんと。