【エッセイ】夜が長引く(Ⅰ)
高校時代は化学部に所属していた。見学に回っていたライフル射撃部とどちらにするか悩んでいたので、正式加入は梅雨明けの、若干、遅め。学年関係なく、新入部員がかなり集まり大所帯となったため、この年から、顧問の意向で理科研究発表会に参加するようになった。グループ毎に、テーマを決めてそれに関する実験を重ね、結果と考察を模造紙やプレゼンテーション作成ソフトにまとめる。当日はマイクを片手に原稿を読みながら報告する。私の班は草木染めについてで緑色色素を布に着色する方法を、薬品を用い、条件を変えながら模索していく。自然界にありふれてる色なのに、どの植物も案外染まりにくい。
部室に篭りきりだった。白衣を着て、毎回、数時間に渡って山菜をビーカーで煮込んだ。その間、雑談。皆、ユーモラスで馬鹿馬鹿しいことでもお腹が痛くなるほど笑わせてくれ盛り上がりすぎて夜が長引くが、賑やかさがまた次回も行きたくなる活力の源でもあった。