楽を金で買う節約術
以前精神科医に、「つらいときは楽を金で買え」とアドバイスをされました。
楽を金で買う、と聞いたときに
「楽を買えるだけの余裕はない」
「そんなのできるの裕福な人だけ」
「一般庶民には無縁」
などと思う方が多いと思います。
まあ、実際そうですよね。ご飯を作るのが大変だから外食やデリバリーを頼り切りにするのも負担ですし、お掃除ロボットを買うくらいなら自分で掃除するという人も多いはず。ましてや、家事すべてが大変だからといってハウスキーパーさんを雇える人なんて一握りでしょう。
しかし、これは一般的なイメージの、金持ちの楽を金で買う話。ここでしたいのは、少し視点を変えた、節約するためのハードルを下げることを買う楽の話です。
我が家の楽を金で買う節約術
御託は後に回して、我が家の実例をひとつ紹介します。
私たち夫婦は二人とも心身ともにエネルギー不足に陥りがちで、家事の優先順位が下がりがちです。特に食器を洗うのなんて面倒の極み。ほとんどの食器は一組二組くらいしかありませんし、洗い物がたまるのもストレスになります。なので「食器洗ってないし、ご飯買ってくるか頼むかしようか」となりがちでした。炊いてあるご飯があって、卵や納豆、レトルトのカレーもあるのに。。。
そこで考えたのが、使い捨ての箸とスプーンを用意しておくことでした。これなら箸とスプーンは捨てられるので洗い物が出ず、洗い物の手間もストレスも軽減。もちろん普通の箸やスプーンを使う方が安上がりなのですが、自炊するハードルが下がることを考えると、総合的に節約になります。
ハードルをさげることで節約する
私は最初、楽を金で買う、とアドバイスされたとき、お金を使ってすべての手間を解消すればいいんだ!と思っていました。実際そういう場面もありますし、必ずしも極端な理解ではないんですけどね。
ただ、そんなことをしていると我が家のようなジリ貧家庭は破産してしまう(というか破産気味)。すべての手間を解消するのは極々一部の余裕のある家庭だけでしょう。
全部を解消するのは金銭的に難しい。ならば少しの出費で一部だけ解消する、すなわちつらいことのハードルを下げるなら少額でできるだろう。そしてその先には節約が待っている、というのが今回提案したいことです。簡単に言うと次のようになります。
少しお金を使ってハードルを下げて楽をする
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楽することで家事等がしやすくなる
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家事等をすることで節約がはかどる
「楽を金で買う=贅沢」という考えを変える
さあ、楽を金で買ってみましょう、と言われても、どこか心理的に抵抗があるのが人間というもの。「初期投資に二の足を踏んでしまう……」「身の丈に合わない……」などと考えてしまいます。正直、私も使い捨ての食器を買うことに最初は抵抗がありました。
そこで考えてみてほしいのが、目の前の節約よりも総合的な節約です。塵も積もれば山となる、というように、コツコツとした目の前の節約ももちろん大事です。しかし、家計全体を見直す総合的な節約というのも時には大切なもの。一度割り切って、お金を少し使ってみましょう。少しの出費が意外と節約につながるし、何よりストレスが軽減されるかもしれません。
楽を金で買う、のは必ずしも贅沢とは限りません。もちろん毎日毎日外食やデリバリーしたり、高価な家電を買ったり、分不相応な生活は贅沢といえるかもしれませんし、自分の首を絞めるかもしれません。ただ、箸を割りばしにする、といったちょっとした出費ならいいと考えましょう。当初、私も贅沢かな、味気ない食事になるかな、と思いましたが、便利だし、会話等のほかの方法で楽しく満たされた食事になります。何より、自炊する余裕ができたり、ストレスで過剰に食べることが減ったりと、節約につながりました。
一度「楽を金で買う=贅沢」という考え方を変えてみましょう。目の前の節約だけでなく総合的な節約も考えましょう。一度、楽を金で買ってみませんか?