ヒロトさんと風さん
彼からぽつりぽつりと出てくる言葉が好きです。お子達に大人になる時持っといて欲しいような事柄ばかりで、育児書読み漁るよりええと思う。例えば
「幸せを手に入れるんじゃない。幸せを感じることのできる心を手に入れるんじゃ。」
この言葉に、伝えたい事がぎゅーっと集約されてるような気がする。
「学校に居場所がない子に言ってあげられることはありますか?」という質問に彼は、
「居場所あるよ。席あるじゃん。そこに黙って座ってりゃいいんだよ。友達なんていなくて当たり前なんだから。友達じゃねぇよ、クラスメイトなんて。たまたま同じ年に生まれた近所の奴が同じ部屋に集められただけじゃん。趣味も違うのに友達になれるわけないじゃん。山手線に乗ってて、『はい、この車両全員仲よく友達ね』って言われても、『いや、偶然今一緒に乗ってるだけなんですけど』って。友達じゃねぇよ。」「ただ、友達じゃないけどさ、喧嘩せず自分が降りる駅まで平和に乗ってられなきゃダメじゃない?その訓練じゃないか、学校は。友達でもない仲よしでもない好きでもない連中と喧嘩しないで平穏に暮らす練習をするのが学校じゃないか。だからいいよ、友達なんかいなくても。」
こんな事言ってくれる人が周りに居たら、救われるだろうなぁと唯々感動。こういう人になりたいなぁと純粋に思う。
今、ちょっと寄っかかる所が欲しいなと感じてる人には、垂れさせてくれる場所になってくれる様な言葉が見つかるんじゃないかなぁ。立ってる場所や気持ちによって、それぞれが受け取った時に、その言葉は見え方がかわると思う。処方薬とまでは言いませんが、サプリメントくらいの気持ちで1度ググってみてくださいな。
彼は最近出演してた番組で、「音で全部聴いてた。だから洋楽だろうがなんだろうが全部かっこよかった。意味はどうでもよかった。ロックンロールはものすごく僕を元気にさせてくれたけど、元気づけてくれるような歌詞なんかひとつもないんだよ。関係ないんだよ、そんなこと。『お前に未来はない』とか歌ってんだよ。それ聴いて、よし、今日も学校へ行こうって。デジタルになると情報としてキレイに入ってきちゃって、歌詞を、文字を追いすぎてるような気が、ちょっとだけする。」
同じ岡山出身の藤井風さんの楽曲と、この甲本さんの言葉が心の中で溶け込んだんですよね。藤井風さんの作品は、歌詞も本当に心に染るのです。でも、聴き終わった後に心の中に残るのは、言葉ではなく音楽なんですよねぇ。彼の声も音楽なんだなぁ、それでいて彼という人柄が感じられるような。だからと言って、歌詞が残らない訳じゃない。だから何回も何回も擦り切れるほど聴きたくなる。感受性の塊だった頃から久しいのですが、夕方に曲を流していると、胸のあたりが中学生に戻るんですよ。心臓の辺りをつかまれる。鼻から下まぶたの辺りに痛みに似た感覚がせり上がってくる感覚。だから何回も聴きたくなる。
岡山県という場所は何か特別な場所なのではないかと思ってしまいます。(個人の見解ですょ。)勿論、他の都道府県にも多くの素晴らしいアーティストや歌手、プレイヤーは当然いらっしゃいますが、何だかこのお2人は、異質(良い意味でです。)なんですよね。「生きる」や「命」という事を私達にナチュラルに届けてくれるような。おおぴらに話すと、ともすれば人に揶揄されかねない事柄でも、真っ直ぐな思いで穿った見方を払いのけてくれる。私の中にスっと入り込んでくる感じ。
風さんがインタビューで、『帰ろう』という楽曲について、「(曲のサビの部分が)降りてきた。」と仰っていたのを見て、「この人は、選ばれた人なんやなぁ。」と納得しかなかったわ。
子供が私ども夫婦から巣立つ時には、ブルーハーツ・クロマニヨンズなんかのCDと藤井風さんのCDは持たせたいなぁ。
何かあったら、ヘッドホンで音量上げて聞くんやで!
ほなまた