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『 華やかな美容学校生活 』
一日、一日と、新鮮な毎日が続いた。
徐々に、友達と一緒に、学校帰りに
マックに寄ったり、プールバーに行ったり(当時は流行っていた)
週末には、オールナイトで、ディスコにも行った。
木更津から、東京へ戻り、
僕は水を得た魚のようにイキイキとしていた。
女子1000人、男子300人の、この巨大な学校で
僕は、目立っていこう!そう決めていた。
もともと、自意識過剰なたちである。
この頃はDCブランド全盛期で、みんなこぞって
いろんなブランドの服を着ていた。
美容学校となれば、なおのこと。
僕が好んで着たのは、
メンズビギ、ニコルクラブ、ペイトンプレイス、デュオトリオ、メンズバツ、
フランドル、ヒステリックグラマー、
この辺をよく着ていた。
僕はとても童顔で、華奢で、女の子のような風貌でもあったので、
MA1や、革ジャン、ゴツい感じの服は似合わず、
憧れの、コムデギャルソンや、ワイズなどの
デザイナーズブランドの服は、大人っぽすぎて
父親の服を借りてきた少年のようになってしまい、あきらめた。
なので、簡単に言うと、かわいい感じの格好をした。
少し、友達のことを書いてみる。
大場くん(男っぽいタイプのイケメンで、少し氷室京介のような雰囲気もある)
窪内(背は低いが、少しハーフのような顔立ちで、ファッションや音楽の知識が豊富で、センスがいい)
小川(ミリタリー、アメカジが好きで、いつもデニムにこだわっていた。見た目は少しルパン3世のような猿顔)
根布谷さん(元、国鉄職員で、JRに民営化するにあたり退職し、それで美容学校に入った。僕たちより6歳年上。あまりファッションに興味はなかったが、すごく女好き)
だいたい、この4人で遊んでいた。
当時、「ペンギンズ・バー」という
サントリーが手がけた、お洒落な
洋風居酒屋があって、渋谷のペンギンズバーに
この4人で行っていた。気軽で、手頃だからだ。
木更津にいた、高校時代は、駅周辺の
赤ちょうちん(通称 あかちょ)、村さ来、など
チェーン店居酒屋ばかりだったので
ペンギンズ・バーがお洒落に感じた。
お酒はとても弱いのだが、それでも楽しかった。
この頃から、気づいたことがある
どうやら、僕たちは、どこに行っても
人気があるらしい。
ペンギンズ・バーに行くと、
必ず、女子大生や、同世代のOLから
声をかけられて
『良かったら、私たちと一緒に飲んでいただけませんか?』
と、声をかけられた。
別に断る理由もないし、たいていは一緒に飲んだ。
だけど、一度も"お持ち帰り"のようはことはしなかった。
確かに、よく考えれば、みんなそれぞれお洒落だし
周りよりは、かなり目立っていたと思う。
この頃(5月くらいかな)、実は僕は
隣の席の、池田ヒロコと仲良くなっていて、
何度かデートをしたり、本の貸し借りや
ときどき夜、長電話したりした。
僕は居候の身なので、10円玉をたくさん持って
近くの公衆電話から、池田さんの家にかけた。
池田母も、僕のことを気に入ってくれたようだった。
結局、池田ヒロコとはその後進展はなく、
普通に仲のいい友達になった。
最初は戸惑った、実習のワインディングや、
ウェーブも、周りよりもどんどん上達していくのがわかっていった。
15組 のクラスメートたち、全体仲良く
みんなで、居酒屋を貸し切って、クラス飲み会などもやった。
実習で一緒になる、他のクラスの人とも仲良くなり
徐々にだが、いろんなところで目立つようにもなってきた。
それが、山野美容専門学校の一学期の主な出来事。
そして、1ヶ月の夏休みに入る。
つづく。
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もう、山野は卒業していたが、だいたいこんな雰囲気だったと思う。