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『 山野美容専門学校 秋の恋?』 part 3
11月から、僕は最寄りの駅のケンタッキーで
アルバイトを始めた。
さすがに母からの仕送りでは足りなかったからだ。
さらに、僕は忙しくなり、ともかに電話するのも
手紙の返信を書くこともしなくなっていった。
11月も後半になった頃、僕はショーコと付き合うことになった。
僕のアタマの中はショーコへの気持ちがいっぱいで、ともかへの連絡はまったくなくなった。
それでも、ともかからの手紙だけは変わらず届いていた。
その頃、川崎の伯父の家に居候をしていたのだが
あまりに伯母が過干渉で、手紙の相手のともかとの関係などを深く聞いてきて、僕は年が明けたら
一人暮らしをしようと決めていた。
Xmasは以前書いたようにショーコと生涯忘れられないようなXmas Eveを過ごした
※ ↓が以前書いた、ショーコとのXmasです。
そして、冬休みに入り、僕は木更津に帰省をしたが毎日、渋谷、新宿の不動産屋に行き部屋探しをした。
結局、ショーコの住む 同じ西武新宿線の井荻駅の近くのワンルームマンションに決めた。
ショーコが住む、武蔵砂川よりもかなり都心に近い。(高田馬場から20分くらい)
引っ越しのときは、従兄弟の兄や、ショーコも
手伝ってくれて、新しい生活が始まった。
もちろん、ショーコには合鍵を渡し、いつでも
来ていいからね、と伝えていた。
新しい生活は楽しかった。初めての一人暮らしでもあり、何もかもが新鮮だった。
しかも、憧れの美容室『shima』にも合格するという快挙まで起こった。
年末近くまで、三日に一度は届いていた
ともかからの手紙も来なくなっていた。
何かを察したのだろうと、そのままにしようとも思ったのだが、どうしても
キチンとしなくてはいけないという気持ちが強かった。
電話がひけたタイミングで、僕はともかの寮に
電話をかけた。
たいていは、話し中で、何度かかけて、やっと繋がる感じだったのだが
その日は、一度で繋がった。
呼び出された ともかが電話に出た。
僕は緊張で胸がドキドキした。
「久しぶりだね。元気だった?」
「ヤスくん!まさか連絡もらえると思ってなかったからビックリ!」
僕は、何をどう言えばいいかわからないまま
引っ越したこと、彼女ができたこと、就職が決まったこと などを正直に話した。
僕は、ともかからの手紙が年末には来なくなったから、察したのだと思ったと言った。
しかし、ともかは明るい声で「ううん。違うのよ。ヤスくんの住所がわからなくなって書けなかかったの。」と言った。
でも、それは、僕を気づかってのウソなのだと
わかった。
僕は、今までありがとうと伝えると、
ともかは、「いろいろ良いことがあってよかったね!」と明るい声で言ってくれた。
最後に、こうして、話すことができて嬉しかったとも言ってくれた。
結局、オルゴールのことは話せないまま
もう会うことはないけど お互い、頑張ろうね。というやり取りで電話を切った。
僕は涙を堪えながら受話器を置いた。
これが。19歳の冬の出来事である。
おわり…。
追伸 とても真面目で、頑張り屋さんなひとだから今頃は、どこかの病院の、看護師長にでも
なっているような気がする。
今でも、ともかからの手紙はすべて取っておいてある。
歌舞伎町のディスコ、プールバー、カフェテリア、遠かった小田急線の伊勢原、公衆電話、
手紙、すべて懐かしく、今でもときどき思い出す。
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大場くんは、peek a boo に合格。メガネが小川で、
僕と同じshimaに合格。真ん中 後ろが猪鼻です。
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窪内である。
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クソ寒い中、表参道を200人くらいで歩いた。
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たまたま見つけた、当時の写真を何枚か載せてみた。
前にも書いたが、学生時代では、この山野美容専門学校時代が僕にとっては最良の思い出だ。
今でも、ほとんどのことを覚えているし、
キラキラ輝いてた大切な青春時代でもある。
猪鼻康幸