『 枯葉 』
湖のほとりの
錆びた欄干の上に落ちていた
一枚の枯葉…
いつか 僕も枯葉となり
どこかにぽとりと落ちるのだろう
今はまだ道なかば
最後の情熱で、
真紅に染まらなければならない
この、一枚の枯葉を見ると
そこに諸行無常のことわりを感じるのだ
猪鼻康幸
何年か前に撮った、渾身の一枚である。
場所は房総半島の亀山湖。
たまたま見つけた、小さな橋の錆びた欄干
何枚か落ちていたのだが、この枯葉に何かを感じた。
紅葉には、何か特別な想いを馳せるのだ。
チカラを振り絞って、最後に色鮮やかな
真紅を内から絞り出し、
そして、最後は枯れて、落ちる。
まるで、人ひとりの人生のように…。
この写真を見て、何かを感じてくれたら
嬉しいです。