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『 山野美容専門学校 秋の恋?』 part 1
最初に…
30年以上前の話です。
少し前に、美容専門学校時代の夏休みの淡い
恋について書きましたが
今回は、その後の話になります。
夏休みが終わり、ミユキとの恋は始まりもしないまま終わった。
10月に入り、高校時代の友人Kと一緒にディスコに行った。確か2人で四月にも行ったはず。
そのときは、お互い上京して慣れないディスコに戸惑った。
今回のディスコは僕が選んで、ZEBRAにした。
美容学校の同級生と行って、雰囲気が気に入ったからだ。
週末のゼブラは人に溢れて活気もあり、
Kとふたりで楽しく踊っていた。
※ ちなみにKは男友達である
日付けが変わるころから、テンションはマックスにあがり、気分も高揚し、ダンスに酔っていた。
僕はお酒が弱いので、ディスコではあまり飲まないようにしている。
夜中、2時を過ぎた頃、突然 店内が真っ暗になり
照明も音楽も消え、ひとびとのざわざわする声が聞こえてきた。
ん? なんだ?どうしたんだろう…
すると、いきなり店内放送が入り
『機材トラブルで復帰のめどがたたず、本日の営業は勝手ながら終了させていただきます』とのこと。
フロアにいた人は、みんな文句を言いながら
エレベーターと階段で下に降りた。
僕とKは、エレベーターの中で、
「どうする?終電終わってるから帰れないぜ」
と、愚痴をこぼした。
目の前にいる、2人組の女の子も同様のことを
言っていた。
東亜会館を出たのはいいが、さて どうするか?この時間で入れるところも、ほとんどないだろう。
僕は目の前の2人組女子に声をかけてみた。
「困りましたよね… これからどうします?」
向こうもどうすればいいのかわからないと言った。
汗をかいたせいか、10月の真夜中は寒く
とりあえず、4人で渋谷方面に歩くことにした。
話しながら、お互いの簡単な自己紹介的なものを話した。
ふたりは、僕らよりひとつ年上で、神奈川の伊勢原の看護学校の生徒だった。
そして、ふたりは看護寮に入っていた。
外泊届を出し、初めて新宿のディスコに行き
朝まで踊り、始発で伊勢原まで帰るつもりであったらしい。
とても気さくなふたりで、すぐに打ち解けた。
代々木公園が見えたので、少しベンチに座り休むことにした。
そこで、お互いの近況やら、関係やら、出身やら
教えあったりできた。
ヒトミさん(仮名)は東北出身、ともかさんは
九州の出身で、看護師になるために上京。
看護学校で仲良くなった。
わざわざ書く必要もないが、僕とKは、高校の同級生で、高校時代からよく一緒に遊び、
お互いファッションが好きで、DCブランド専門の古着屋などにも一緒に行ったりしていた。
そんな間柄だ。
代々木公園にいても仕方がないので、そのまま
渋谷に向かった。
4人で泊まれそうなホテルを探したが、土曜日の夜はどこも満室で、何軒か行って、結局あきらめた。
4人ともすっかり疲れてしまい、気づくと西武デパートのシャッターのところにしゃがみ、鈴なりの鳥のように並び、くっついて寝てしまった。
眩しい日の光で目が覚めた、辺りには人も歩いていて、4人は慌てて起きた。
そこで、お互いの連絡先を交換して、
女の子たちは小田急線、僕は新玉川線(現 田園都市線)、Kは西武新宿線でそれぞれ帰ることにした。
駅に着くまでに、Kと「あのこたち良かったね」と笑顔で話した。
Kは、ヒトミさんを気に入り、
僕はともかさんを気に入った。
お互い納得の、暗黙の了解ができた。
ちなみに、女の子たちの連絡先は、寮の電話で
2台しかなく、時間も7時から9時までと限られていた。まあ、仕方がない。
僕は、渋谷からそのまま新玉川線で、居候先の
伯父の家に帰った。
そして、何か恋の予感を感じた…
つづく
1987年の、歌舞伎町のDISCO New York ニューヨークの貴重な映像がYouTubeにあったので、載せてみますね。
僕が行ってたのは、同じ東亜会館のZEBRA です。
僕と同世代の人には、とても懐かしいと思う。