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『 Route 134〜 246 』我が、青春の音楽。

木更津で過ごした高校時代

中学3年まで、南麻布で過ごした僕には

なかなか馴染めなかった。

そんなときには、学校のある上り電車ではなく

下りの内房線に乗った。

地下鉄日比谷線と違って、内房線からは景色が見える。

しかも、ボックス席になっているので

窓枠に肘を乗せ、風を浴びながら電車に揺られた。

当時の内房線には、冷房がなく、窓が開けっぱなしになっていて

車内には、天井の扇風機がクルクルと回っていた。

そんな時代の話。80年代半ばだった。


僕のカバンの中には、カセットテープがたくさん入っていて。

学校の行き帰りも、電車の中でも

ウォークマンで、毎日音楽を聴いていた。

下り電車から見える景色は、上総湊を越えると

いきなり海があらわれる。

僕はこの瞬間がたまらなく好きだった。

電車の窓から見る海は、それが東京湾であっても

素晴らしい眺めだった。

どこか遠くへ、旅をしてる気分にさえなった。


上総湊から何駅か過ぎると「保田」という駅に着く。

ここで降りる理由は、駅から歩いて3分くらいで

海に着くことと、無人駅だったので、

キセルで、改札を出ることが出来たのだ。(もちろん いけないことですが…)

今思うと、自動改札すらなかった時代だった。

海は、砂浜まで何段かの広い階段のようになっていたので

真ん中辺りに腰掛けた。

誰もいない海…  心地いい風と、潮の香り…

夕方になるまで、この海岸に何時間もいて

たくさんのカセットテープを聴いたが

その中でも、印象に強く残ってる

二枚のアルバムに着いて書いてみる。


杉山清貴&オメガトライブ

「 Never Ending Summer 」


とにかく、爽やかなsummer breeze。

そして、B面は、タイトル名でもある

「Never Ending Summer 」の一曲が

Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ-Ⅳ(Prolog)となっていて、

4曲で、ひとつのストーリーになっているのだ。

出会った夏から始まり、(Ⅰ)

一緒にいるのに、なぜか距離を感じる…何故?
君はゴメンね…と俯いた
(Ⅱ)

外国に行ってしまった彼女から、半年ぶりの手紙…  滲んだインク、still という文字に胸が痛む
(Ⅲ)

帰った彼女は、疲れている。
これからは僕がいるから大丈夫。
僕のカレンダーは8月のままさ。
例え今が冬でも、二人には夏だから…。
(Ⅳ)Prologue


要約すると、こんな感じのストーリーが、四つでひとつに繋がっている。

そして曲の間もなく、Prologueまで、続いていくのだ。


杉山清貴の音楽は、いつだって

僕を湘南や、葉山に連れて行ってくれる。

高校生の僕は、南房総の海辺で、

国道134号線、コンバーチブルのオープンカー、
由比ヶ浜、七里ヶ浜を抜けて葉山に続く…
ロマンティックな夕暮れのテラス、
恥ずかしそうにワイングラスで顔を隠す君…

そんな、シチュエーションを、何度も何度もイメージして

同時に、そのシチュエーションに入りたいと憧れた。

それが、route 134 である。


これが18歳の僕。

当時は、タンクトップ、その上にジャケット

そして、そのジャケットの袖をまくるというのが流行っていた。


あとは、この レイバンのサングラスである。

映画、トップガンで、トム・クルーズがかけてたものに一番近いものを選んだ。

童顔で、華奢な少年には、お世辞にも
似合うとは言えなかったが、夏になるとこのサングラスをして海に行った。

そんな、青春時代の話でした。

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